2025-10-19 コメント投稿する ▼
島田洋一、高市早苗総裁と意見交換 維新「比例区削減」に異議「小政党を潰す改革は誤り」
島田氏はSNSで、「日本保守党と方向性が一致する政策も多いので、闘うなら大いに支持する」と述べつつも、日本維新の会が掲げる「衆院比例区に限った定数削減」案には明確に異議を唱えました。 島田氏は「政策的な方向性が日本保守党と一致する部分も多い」と述べ、高市氏の改革姿勢には理解を示しています。
島田洋一氏、高市早苗総裁と直接意見交換 ― 維新の「比例区定数削減」に異議
福井県立大学名誉教授で評論家の島田洋一氏が、自民党の高市早苗総裁と直接電話で意見交換したことを明らかにしました。島田氏はSNSで、「日本保守党と方向性が一致する政策も多いので、闘うなら大いに支持する」と述べつつも、日本維新の会が掲げる「衆院比例区に限った定数削減」案には明確に異議を唱えました。保守系の知識人として、連立協議が進む中での“少数政党切り捨て”に対し、強い懸念を示しています。
「比例区削減」は少数政党の排除につながる
島田氏は投稿の中で、「新興小政党を潰すことになる」と断じ、維新の定数削減方針を厳しく批判しました。比例区は、地域や資金力に左右されにくい形で多様な政治勢力に国政参加の道を開く制度です。その枠を削ることは、結果的に小規模政党や新興勢力の発言権を奪うことになります。
「維新の比例削減案は、小政党を排除する構造を強化する」
「議席数ではなく、民意の多様性をどう守るかが政治の本質だ」
「比例区こそ、草の根の声を国会に届けるための装置だ」
「改革を名乗るなら、まず民意の通路を狭めるべきではない」
「少数意見を軽んじる政治は、必ず硬直化する」
この一連の発言には、与党との連立交渉が進む中で、政治改革が“数の論理”に偏り過ぎているのではないかという危機感がにじみます。
高市総裁とのやり取り「丁寧な説明があった」
島田氏はまた、「高市氏から丁寧な説明があった」とも明かしました。具体的な中身は控えたものの、維新案や自民党の対応に関して直接意見を交わした様子がうかがえます。高市氏が率いる自民党総裁としての姿勢と、保守層における支持の広がりを意識した発言とも取れるやり取りでした。
島田氏は「政策的な方向性が日本保守党と一致する部分も多い」と述べ、高市氏の改革姿勢には理解を示しています。その一方で、「比例区削減」のように少数政党や新興勢力を圧迫する政策には明確な線を引く姿勢を見せました。単なる政治的応援ではなく、理念の整合性を重視した発言といえます。
「保守の再定義」か、「保守の分断」か
今回のやり取りは、保守政治の再編を象徴する出来事ともいえます。島田氏はこれまで、日本保守党をはじめとする草の根運動を支持してきました。彼が高市総裁と直接対話し、政策の一致点と異論点を明確にしたことは、保守陣営の「原点回帰」を促す動きとして注目されています。
保守といえば「改革」と「伝統」のバランスが問われる領域です。維新が打ち出した定数削減は一見「改革的」に見えますが、島田氏の視点からすれば、これは「政治の多様性を削る改革」であり、保守の理念に反する動きです。彼の発言は、数合わせの政治ではなく、理念に立脚した保守の再構築を訴えるものとして、多くの保守支持層から支持を集めています。
理念なき改革は「淘汰」でしかない
島田氏の発言の本質は、「改革」そのものを否定するものではありません。彼が問題視しているのは、「誰のための改革か」という視点が欠けた政治のあり方です。議員定数削減が“痛みを伴う改革”として歓迎されがちな一方で、それが民意の多様性を削ぐ結果につながるならば、本末転倒です。
政治の健全性は「声の数」ではなく「声の質」によって支えられます。比例区は、多数派の陰に隠れた声をすくい上げるための装置であり、それを削ることは民主主義の基盤を削ることに等しい。島田氏は、保守でありながら民主主義の多元性を尊重する立場を明確にしました。
「理念を伴わない改革は淘汰でしかない」──この言葉を地で行くような発言でした。高市総裁との対話を経て、島田氏は“闘う保守”として、政策論の本質を問い直しています。政治が「効率」や「改革」の名の下に多様性を失えば、それはもはや保守でも改革でもなく、単なる支配構造の固定化です。いま、日本の政治に問われているのは、“誰の声を守るのか”という原点です。