2025-11-15 コメント投稿する ▼
岸博幸教授、高市早苗総理の「存立危機事態」発言を擁護:中国反発に屈するな
慶應義塾大学の岸博幸氏は、高市早苗総理が国会で「台湾有事は存立危機事態になり得る」と答弁したことに対する中国政府の激しい反発に、「撤回は絶対にあってはならない」と強く主張しています。 具体的には、日中議員連盟を率いる森山会長を窓口に、経済関係の強化を通じて中国の怒りを和らげるべきだと提言しています。
岸博幸氏、中国の怒りに屈すべきでないと主張
慶應義塾大学の岸博幸氏は、高市早苗総理が国会で「台湾有事は存立危機事態になり得る」と答弁したことに対する中国政府の激しい反発に、「撤回は絶対にあってはならない」と強く主張しています。岸氏はSNS(X)で、「中国の反発に屈して撤回するのは外交上の敗北だ。今後のやりにくさを招く」「一度発言した内容には自信を持って堅持してほしい」と語りました。
岸氏が懸念するのは、中国による過剰な反発が「交渉からの撤退」を日本側に強いる流れにつながることです。彼は「絡め手(外交や経済関係を使った複合的な駆け引き)をうまく使って徐々に抑えるしかない」と説明。具体的には、日中議員連盟を率いる森山会長を窓口に、経済関係の強化を通じて中国の怒りを和らげるべきだと提言しています。
高市答弁と中国側の強硬反応
11月7日の衆院予算委員会で、高市総理は「戦艦を使って武力行使も伴えば存立危機事態になる可能性がある」と明言。これは日本の国家存立が根本から揺らぐ可能性のある事態を指すもので、従来の「あいまい戦略」から踏み込んだ発言です。
これに対し中国政府は即座に反発。中国外務省の報道官は、「日本のこのような発言は中日関係を深刻に破壊する」と警告しました。
さらに、在大阪の中国総領事・薛剣(せつ けん)氏が自身のX(旧Twitter)に投稿した「勝手に突っ込んできたその汚い首は、一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない」という表現は、日本国内に衝撃を与えました。
この発言には日本政府も強く抗議し、外交レベルでの応酬が続いています。
岸博幸氏の外交戦略論:強硬でも撤回せず
岸氏は、高市総理の答弁を外交戦略として「手の内を見せた」と評価します。従来の総理は曖昧な表現を好んできたが、高市総理はそれをやめ、明確なスタンスを取ったというわけです。岸氏はこうした姿勢を支持し、「屈しない強さ」が今後の対中交渉で重要になると見ています。
ただし、岸氏は単に強硬だけでなく、「絡め手外交」、すなわち経済や議員交流などを活用した柔らかいアプローチも併用すべきだと提案しています。彼は安倍政権時代の事例を引き合いに出し、「二階氏が企業を引き連れて中国訪問し、経済関係を強化したことが混乱を和らげる一因だった」と指摘。現在も日中議員連盟の森山会長をキーパーソンとみており、彼を通じた“経済の抑止力”を外交に生かすべきだと主張しています。
岸氏は、「一度発言した内容を軽々しく撤回するのは、単なる外交的な後退ではなく、今後の政策発信力の喪失につながる」と警鐘を鳴らします。彼にとって、高市総理の明確な発言は、長期的な外交を見据えた戦略的な行動とみなされているのです。
リスクと今後の見通し
高市総理の発言は、中国との関係に新たな亀裂を生んでいます。強硬発言が外交的な後退を招くリスクは明らかで、国内外で反発は根強くあります。岸氏が指摘するように、発言を撤回すれば「外交的敗北」と受け取られる可能性も高い。
一方で、単に強さを示すだけでなく、経済関係や議員を通じた“絡め手”によって中国を押さえ込むアプローチは、有効な戦略とも言えます。だが、この方法も慎重な運用が求められる。あまり強く出れば経済制裁など報復を招きうる一方、弱腰に見えれば影響力を失う。
岸博幸氏の見解は、単なる理論ではなく現実的な戦略論として、今後の高市政権の外交運営に大きな影響を与える可能性があります。