2025-10-11 コメント投稿する ▼
岸博幸氏「公明離脱の本音は麻生・高市不信」 “政治とカネ”より深い信頼崩壊を分析
岸氏は「政治とカネの問題」や「選挙敗北」といった表向きの理由を否定し、「本当の原因は、麻生派と高市政権への根深い不信感にある」と断言した。 岸氏は「麻生派・高市ライン」は理念的にも距離があり、過去に公明支持層への強い批判を繰り返したことが離反の決定打になったと分析した。 岸氏は番組で、「高市氏は思想的に公明党と距離があるが、本人よりも周辺の支持層やブレーンによる強硬な公明批判が続いた」と指摘した。
“公明連立離脱”の本音はどこにあるのか
公明党が自民党との連立政権から離脱を発表した背景について、元官僚で政治評論家の岸博幸氏が生放送で語った分析が注目を集めている。岸氏は「政治とカネの問題」や「選挙敗北」といった表向きの理由を否定し、「本当の原因は、麻生派と高市政権への根深い不信感にある」と断言した。
「(政治とカネの問題)だけなら石破総裁の時にも言えたはずだ」
「公明党と信頼あるパイプを持つ人物がいなくなった」
「麻生派がメインになり、高市氏への警戒が一気に高まった」
「公明党は“政治とカネ”よりも人間関係の断絶を見た」
「離脱の決断は信頼の枯渇を意味している」
信頼の切断が招いた離脱
岸氏は11日放送のニュース番組で、公明党がなぜこのタイミングで連立を離れたのかを分析した。石破総裁や岸田前総裁の時代には、公明党と自民党の間に信頼の仲介役となる人物が複数存在していた。しかし今回の高市政権では、麻生派を中心とした新体制となり、公明が信頼を寄せていた人脈がすべて途切れたと指摘する。
かつては公明党に理解を示す元総理や派閥幹部が存在したが、今の高市執行部にはそうした存在がいない。岸氏は「麻生派・高市ライン」は理念的にも距離があり、過去に公明支持層への強い批判を繰り返したことが離反の決定打になったと分析した。
3日待たずに決断、公明の“我慢”が限界に
岸氏はさらに、「これまでの公明党なら、2回目の会談のあとに3日程度は結論を待っただろう」と述べたうえで、「今回はそれを待たなかった。つまり信頼関係が完全に切れた」と断言した。
「これまでなら3日待ったと思うんですよ。でも今回は待たなかった」
「それだけ現執行部への不信感が大きかった」
「麻生さん、高市さんに対して“もう通じない”と思った」
「耐えてきた公明党が、ついに我慢の限界を超えた」
「理念を守るための離脱、利害より信義を取った」
この分析は、公明党の離脱が「利害調整の失敗」ではなく「信義関係の断絶」であることを示している。自民党が「政治とカネ」の問題を後回しにし続けたことも一因だが、根底には「信頼できる相手がいない政権」との認識が広がったことが大きい。
“麻生・高市ライン”への警戒感
岸氏は番組で、「高市氏は思想的に公明党と距離があるが、本人よりも周辺の支持層やブレーンによる強硬な公明批判が続いた」と指摘した。麻生太郎副総裁についても「過去に公明党へ厳しい発言をしてきた」と述べ、こうした積み重ねが「党としての尊厳を傷つけた」と分析した。
さらに岸氏は「高市総裁は就任直後、まず公明党ではなく国民民主党の玉木雄一郎代表と会談した」と指摘。この“順序の誤り”が公明の怒りを決定的なものにしたという。政策よりも礼節の軽視が、結果的に連立破綻を加速させた構図だ。
利害より信義、公明の決断
岸氏は「与党に残れば国土交通省という“おいしいポスト”を守れた」と語りつつ、「それを手放したのは理念を守るため」と評価した。長年にわたり、自民党に歩調を合わせてきた公明党が、選挙での敗北を経て原点に立ち返った――“信義の政治”への回帰である。
この分析を裏づけるように、公明党の支持母体も「信頼なき政権との協力は限界」との声を強めている。つまり、離脱の真因は“政治とカネ”ではなく、“政治と信頼”の問題だった。
結論として、岸氏の言葉は政権中枢に向けられた警鐘である。麻生派主導の体制が続けば、同様の亀裂は今後も拡大しかねない。政権が国民の信を取り戻すには、まず政治家同士の信義を取り戻す必要がある。