2025-08-10 コメント投稿する ▼
さや参院議員「核武装安上がり」発言 ウクライナと北朝鮮が示す抑止力の現実と高橋純子氏への疑問
さや参院議員「核武装安上がり」発言 賛否渦巻く中、現実論を直視すべきとの声も
参院選期間中に「核武装が最も安上がりで最も安全を強化する策の一つ」と発言し物議を醸した、さや(本名・塩入清香)参院議員。その発言に対し、朝日新聞編集委員の高橋純子氏は10日、TBS系「サンデーモーニング」で「国会議員であるなら口にすべきではない。顔を洗って出直してきていただきたい」と厳しく批判した。
番組では、被爆80年を迎える今年の平和記念式典や核兵器保有国の現状が紹介され、経済合理性の観点から核武装を肯定する発言を高橋氏は「幼稚かつ稚拙」と切り捨てた。しかし、国際安全保障の現実を踏まえれば、さや氏の指摘を頭ごなしに否定するのは短絡的だとの意見も根強い。
「被爆国だからこそ核の脅威を知っている、だから抑止力も理解すべき」
「理想論だけでは国は守れない」
「現実から目を背けてはならない」
「核武装発言は一考に値する」
「高橋氏の批判は感情論に寄りすぎ」
ウクライナと北朝鮮が示す“抑止力”の現実
1994年、ウクライナは旧ソ連から継承した核兵器を放棄し、米英露が安全保障を約束する「ブダペスト覚書」に調印した。しかし2014年にロシアがクリミアを併合、2022年には全面侵攻を受けた。核を手放さなければ侵攻は抑止できたのではないか、という議論はいまも続く。
一方、北朝鮮は国際社会から核兵器保有国とみなされ、経済制裁を受けているものの、軍事的侵攻は受けていない。この現実は、核保有が侵略を抑止する可能性を示す事例としてしばしば挙げられる。
こうした事実を前に、核兵器を単に「悪」として排除するだけでなく、抑止力や安全保障戦略としてどう位置づけるかを冷静に議論する必要がある。塩入議員の発言は、この現実的な視点を提起したものとも解釈できる。
高橋氏への疑問 理想と現実のギャップ
高橋氏の発言は、被爆国として核廃絶を目指す理念に立脚しているとみられるが、国際政治の現場では理想だけでは通用しない場面が多い。核兵器の是非を巡る議論を封じるのではなく、現実の安全保障環境の中でどのように国民を守るのかを考えるべきだとの声も上がる。
「顔を洗って出直せ」という批判は痛烈だが、むしろ必要なのは、ウクライナや北朝鮮の事例を直視し、現実に基づく政策議論を進める姿勢ではないだろうか。感情論や理想論に寄りすぎれば、結果として国民の安全が危うくなる可能性もある。
求められる現実的な安全保障議論
日本は被爆国として核廃絶を訴える道を歩んできた一方で、米国の核抑止力に依存してきた事実もある。理想と現実の間でバランスを取りながら、国民を守る最適な方策を探ることが求められている。
塩入議員の発言は、国際政治の力学を踏まえたうえでの問題提起として捉えれば、感情的批判で切り捨てるべきではない。むしろ高橋氏のようなメディア関係者こそ、現実から目をそらさず、より多角的な議論の土台をつくるべきではないか。