2025-11-28 コメント投稿する ▼
連合が2026年春闘で3年連続5%以上賃上げ要求決定へ、実質賃金1%上昇軌道確立が焦点
物価上昇に賃金が追いつかない状況が続く中、「持続的な生活向上の実現」を掲げて実質賃金の1%上昇軌道確立を目指します。 2025年春闘では連合傘下の労組が平均5.25%の賃上げを達成しましたが、実質賃金は9カ月連続でマイナスとなっており、労働者の生活実感は依然として厳しい状況が続いています。
連合3年連続「5%以上」要求へ
物価高に負けない賃上げで実質賃金1%上昇目指す
連合が2026年春闘で3年連続となる「5%以上」の賃上げ要求を正式決定する見通しとなりました。2025年11月28日に千葉県浦安市で開催される中央委員会で闘争方針が決定されます。物価上昇に賃金が追いつかない状況が続く中、「持続的な生活向上の実現」を掲げて実質賃金の1%上昇軌道確立を目指します。
2025年春闘では連合傘下の労組が平均5.25%の賃上げを達成しましたが、実質賃金は9カ月連続でマイナスとなっており、労働者の生活実感は依然として厳しい状況が続いています。高市早苗政権が物価高対策を最優先課題に位置付ける中、労使協調による賃上げの継続が日本経済の安定成長のカギを握ります。
「5%の賃上げっていうけど、実際の生活は楽になってない」
「物価がどんどん上がってるから、給料上がっても追いつかない」
「中小企業で働いてるけど、大手みたいな賃上げなんて無理だよ」
「パートの時給も上げてもらわないと生活がきつい」
「賃上げよりも税金を下げて欲しいのが本音」
3年連続5%要求も実質賃金はマイナス継続
連合の闘争方針では、基本給を一律に引き上げるベースアップを「3%以上」とし、定期昇給分と合わせて「5%以上」の賃上げを求めます。中小労働組合については、格差是正を図るため1%を上乗せした「6%以上」の目標を継続します。
注目すべきは、契約社員やパートなどの非正規労働者の賃上げ目標として初めて数値を明示し、7%を目安としたことです。非正規労働者の処遇改善は長年の課題となっており、具体的な目標設定により賃上げの裾野拡大を図ります。
連合の芳野友子会長は10月23日の記者会見で「着実に5%以上の賃上げを積み重ねていくことが重要だ」と述べ、目標達成への決意を示しました。2024年と2025年の春闘でいずれも5%台の賃上げを実現したものの、表現を「実現を目指す」から「実現にこだわる」へと変更し、より強い姿勢を打ち出しています。
しかし現実は厳しく、厚生労働省が11月に公表した9月の毎月勤労統計調査では、実質賃金が前年同月比1.4%減となり9カ月連続のマイナスを記録しました。名目賃金は1.9%上昇したものの、消費者物価指数が3.4%上昇したため、物価上昇に賃金上昇が追いつかない状況が続いています。
実質賃金1%上昇軌道の確立が最重要課題
連合は今夏、労働経済学の研究者で構成する「『未来づくり春闘』評価委員会」を設置し、賃上げ定着のための方策を検討しました。9月にまとめられた報告書では「実質賃金を『1%上昇軌道』に確実に乗せることを最優先に労使で取り組むべきだ」と提言しています。
2026年春闘の基本構想では、この提言を受けて実質賃金を「1%上昇軌道」に乗せる目標を明記しました。物価高を上回る賃上げによって実質賃金が安定的に1%上昇する状況を実現し、「賃金はこれからも上がる」という社会通念(ノルム)の定着を目指します。
高市早苗政権も実質賃金の重要性を認識しており、城内実経済財政担当相は就任後の記者会見で「実質賃金が十分に上昇するまで政府はしっかりと支える必要がある」と表明しています。政府の「経済財政運営と改革の基本方針2025」では、2029年度までの5年間で年1%程度の実質賃金上昇を定着させる目標を掲げています。
中小企業の賃上げ格差是正が最大の課題
連合が直面する最大の課題は、賃上げの裾野が日本全体に十分広がっていないことです。5%以上の賃上げを獲得した組合は、2024年が35.8%、2025年は42.7%にとどまり、実は半数以上の組合が目標を達成できていません。
特に中小企業での賃上げ実現が困難な状況が続いています。2025年春闘では中小組合の平均賃上げ率が4.65%と、全体の5.25%を大きく下回りました。連合は2026年春闘でも中小組合に「6%以上」の高い目標を設定し、格差是正に向けた取り組みを継続します。
中小企業の賃上げには、労務費を含むコスト上昇分を製品やサービス価格へ適切に転嫁することが不可欠です。中小企業庁の調査によると、コスト上昇分の価格転嫁率は52.4%にとどまり、上昇分の約半分は価格転嫁できていないのが現状です。連合は価格転嫁の取り組み強化を重要課題として位置付けています。
一方で、トランプ政権の高関税政策による影響も懸念されています。自動車産業を中心とした製造業では米国関税措置の影響が警戒されており、企業の賃上げ姿勢に影響する可能性があります。経済学者の予想では2026年春闘の賃上げ率は4.81%とする見方もあり、3年連続で5%超を実現できるかは不透明な情勢です。