2025-10-08 コメント投稿する ▼
連合・芳野友子会長3期目続投 「働く人のため」と言いながら経営側寄り 失われる労働組合の原点
連合は「働く人の権利と生活を守り、よりよい社会を実現すること」を掲げていますが、近年の活動は現場の労働者よりも大企業や経営側に寄り添っているとの批判が強まっています。 芳野氏は国民民主党の与党接近に対して「信じたい」と述べ、建前上は連立入りに反対する立場を取っています。 しかし、それが象徴しているのは“政権への近さ”であり、“労働者の代弁”ではありません。
芳野友子会長3期目続投 連合、現場より大企業を向く組織に
日本労働組合総連合会(正式名称:日本労働組合総連合会、略称:連合、英語名:Japan Trade Union Confederation/JTUC-RENGO)は8日、東京都内で開かれた定期大会で芳野友子会長の3期目続投を正式に承認しました。連合は「働く人の権利と生活を守り、よりよい社会を実現すること」を掲げていますが、近年の活動は現場の労働者よりも大企業や経営側に寄り添っているとの批判が強まっています。
芳野氏は大会後の会見で「連立入りは容認できない。立憲民主党と国民民主が野党の立場で与党に対峙することが大事だ」と語りました。一見すれば政権との距離を取る姿勢に見えますが、その裏で進むのは、労働組合としての“現場離れ”です。
「賃上げの実績」は大企業偏重 中小・非正規は置き去り
芳野体制の下で、連合は2年連続で5%台の賃上げを実現したと強調しています。しかし、実際に恩恵を受けたのは大企業の正社員層が中心であり、地方や中小企業、非正規労働者にはほとんど波及していません。連合が誇る“成果”は、現場の感覚とは乖離しているというのが実情です。
「うちの職場では昇給なんて聞いたこともない」
「ボーナスが減っているのに、ニュースでは賃上げ成功と報じられていて違和感しかない」
「連合の幹部は経営者と同じ目線で話している気がする」
「非正規社員の声をどこまで拾ってくれているのか疑問」
「現場の労働者を守る組織ではなく、政府の調整役になっている」
SNSではこうした声が相次ぎ、連合の“労働者離れ”が露わになっています。
国民民主の与党接近を容認? 二枚舌の姿勢に疑問
芳野氏は国民民主党の与党接近に対して「信じたい」と述べ、建前上は連立入りに反対する立場を取っています。しかし、政策提言の内容を見ると、実際には政府寄りの姿勢が際立っています。
物価高対策では、企業支援や労働移動の円滑化を求める提案が中心で、生活防衛や非正規雇用の安定化といった“働く人のため”の施策は後回しにされています。さらに、高市早苗政権下では経済政策が企業減税や規制緩和に傾いており、連合の沈黙が経営側に都合の良い空気を生んでいます。
連合内部でも「政府に物を言わない連合に存在意義はあるのか」との不満が噴出しています。中小労組関係者の一人は「最近の連合は“働く人”ではなく“働かせる人”のために動いているように見える」と厳しく批判しました。
労働界の信頼回復なるか 問われる原点
芳野氏は首相と直接対話する「政労会見」を16年ぶりに復活させた功績を強調しています。しかし、それが象徴しているのは“政権への近さ”であり、“労働者の代弁”ではありません。政府とのパイプを維持するあまり、対峙すべき相手に迎合しているのではないかという指摘も根強くあります。
国民民主党の連立参加論や、立憲民主党の共産党との選挙協力をめぐる対立など、政治的分断の中で連合はどちらの側にも明確に立てていません。この中途半端な姿勢が、連合の求心力を著しく低下させています。
連合は本来、「現場の声を国に届ける最後の砦」であるはずです。ところが今や、経営側や政権とのバランスを取ることに終始し、労働者の生活改善という原点を見失っているように見えます。
芳野会長が3期目で最も問われるのは、政治や経営との距離ではなく、「誰のための連合なのか」という根本的な問いです。理念と現実のギャップを埋められなければ、連合は“働く人の味方”という信頼を完全に失うことになるでしょう。