2025-07-01 コメント投稿する ▼
都民ファースト、参院選で独自候補見送り 都政集中の姿勢を貫き他党支援もせず
都民ファースト、参院選は“不参戦” 独自候補も他党支援も見送り
「都民との約束を最優先」 都民ファが示した政治スタンスの再確認
小池都知事の影響力と沈黙 支援の裏にある“見えない距離感”
国政より都政を選んだ意味とは? 都民ファの現実路線
地域政党「都民ファーストの会」が、今夏の参院選で独自候補を擁立せず、他党支援もしない方針を正式に表明した。6月の都議選で自民党を破り再び第1党に返り咲いたばかりの都民ファの動向には注目が集まっていたが、今回の決定は「都政に集中する」姿勢を強く打ち出した格好だ。
森村隆行代表は1日、東京都庁での記者会見で「参院選で候補者は立てない。他党からの推薦や支援依頼もない。よって、党として他党の応援もしない」と述べた。都議会与党としての責任を重視し、都政への注力を明確にした形だ。
都政ファーストを貫く姿勢 「国政より都政」への明言
森村代表は会見で、都議選で掲げた公約の実行が最優先事項であると強調した。「都民との約束を果たすことに力を注ぐべきだ」と語り、再び都政に力点を置いた活動方針を明示した。2022年の参院選では、都民ファが母体となって立ち上げた「ファーストの会」が東京選挙区に候補を立てたものの落選に終わっており、今回の見送りは「国政への野心の棚上げ」とも受け取れる。
ただ、この決定が示すのは後退ではなく、「国政に引っ張られず、地域課題に専念する」という地に足のついた政治姿勢だといえる。
「国政に口出すより、都政に集中した方が好感持てる」
「選挙のたびに“進出”とか言ってた政党よりまとも」
「これでファーストの会の国政再挑戦は当面なさそう」
「小池さんが後ろにいても、党としては距離置いてるね」
「応援しないのは賢明。自民と距離保った方が得策」
小池百合子知事の影と立場 「表に出ない支援」もにじむ
注目されるのは、都民ファの特別顧問を務める小池百合子東京都知事の動きだ。森村代表は「小池知事の個人的な政治活動には関与しない」として、知事の支援姿勢については明言を避けた。ただ、小池氏が与党系候補への支持をにおわせている場面もあり、都民ファと知事との間に微妙な温度差が見える。
かつての「小池劇場」を思い出せば、こうした沈黙は逆に意味深であり、選挙戦後の政局や都議会での駆け引きにどのような影響を及ぼすか注視される。
また、都民ファが都議会では自民・公明と一部で連携している現状を考えれば、今回の「支援も応援もしない」という方針は、自民党との適度な距離感を保つための“政治的中立”を演出している可能性もある。
都政の“足場固め”を優先 再浮上した自立路線
都民ファーストの会は、2017年の都議選で大旋風を巻き起こした後、2021年の都議選では議席を減らすも、今回の2025年都議選で再び第1党へと返り咲いた。再び浮上した今、国政への色気を見せるのではなく、むしろ足元を固めていく姿勢は、都民からの評価にもつながりやすい。
地方政治においては、国政への関与や野心が裏目に出ることも多い。そうした過去の教訓を踏まえたうえで、今回の不参戦方針は「政治のリアリズム」として支持される可能性がある。
一方、都民ファが抱える課題も依然として山積している。物価高、医療体制の強化、防災・インフラ老朽化など、都政が直面する難題は国政レベルに匹敵する。国との連携が必要不可欠な分野でどう立ち回るか、次の焦点になるだろう。