2025-07-29 コメント投稿する ▼
立憲民主党、参院副議長に福山哲郎氏を推薦へ 日教組出身の水岡俊一氏は見送り
参院副議長に立民・福山哲郎氏を選出へ 水岡俊一氏の起用は見送りに
立憲民主党は、次期参議院副議長に福山哲郎元幹事長(京都選挙区)を推薦する方針を固めた。複数の党関係者が7月29日に明らかにしたもので、8月1日召集の臨時国会での選出が見込まれている。自民党は関口昌一氏を参院議長に続投させる見通しで、与野党間で慣例に沿った人事が進められる。
副議長ポストは第2会派から 参院慣例に基づく調整
参議院では、3年ごとの改選を機に議長・副議長を交代するのが通例となっており、議長は第1会派(自民党)から、副議長は第2会派(立憲民主党)から選出されるのが慣例。今回の人事もその流れに沿った形だ。
「安全保障の顔」福山氏に白羽の矢 官房副長官も歴任
福山哲郎氏は京都選挙区選出で当選5回。民主党政権では外務副大臣や官房副長官を歴任し、党の中堅幹部として知られる。2017年の旧立憲民主党創設時には枝野幸男元代表とともに中心的な役割を果たし、初代幹事長として党の体制整備を担った。
現在は、立憲民主党が野党として組織する「ネクストキャビネット(次の内閣)」においてネクスト安全保障相を務めており、外交・防衛政策に精通した人物として党内外での評価が高い。
「実務と調整力に定評のある福山氏なら適任」
「政府をただ批判するだけでなく、対案を示せる立場の人」
「最近の安全保障論議でも現実路線に近くなってきた印象」
見送られた水岡俊一氏 党内調整に難しさも
副議長ポストをめぐっては、元日教組(日本教職員組合)出身の水岡俊一氏を推す声もあった。水岡氏は比例代表で4回当選し、現在は参院議員会長を務める。教育や人権政策に強く、組合関係者からの信頼も厚い。
だが、今回は「政治的バランス」や「参院運営への柔軟性」といった観点から、より中立性と行政経験を重視する声が党内で強まり、見送りとなった。
「組合出身ということで、与党との協調が難しいとの見方があったのか」
「水岡氏は理念型。副議長には現実的な調整役が求められたのだろう」
副議長人事は野党の存在感を映す鏡
参院副議長は、議長を補佐し、議事の円滑な運営に努める立場だが、その存在感は与野党の力関係や政策論争の温度感にも影響を与える。特に近年は、安全保障・憲法・少子化対策などの重要議題を巡って、参院の議論の重みが増しており、副議長人事には野党の政治姿勢や対話能力が問われる。
福山氏の起用は、立憲民主党が今後、批判型から提案型への転換を図る上での象徴的な人事ともいえる。臨時国会では、自民党との対立軸だけでなく、超党派での政策形成にどう関わるかが焦点となる。