2025-08-10 コメント: 1件 ▼
河野太郎氏「自分がトップなら負けなかった」 参院選敗因で党内方針との溝明かす
河野太郎氏「自分がトップならこんな負けてない」 参院選敗因めぐり即答
自民党の河野太郎氏(62)が10日、テレビ番組に生出演し、先の参院選での自民党敗北をめぐり「自分がトップだったらこんな負けてないんじゃないか」との問いに「思いました」と即答した。率直すぎる返答にスタジオは笑いに包まれたが、その裏には党内方針との溝や、自身の政策が通らなかった苦い経験がにじむ。
番組では、JNNの世論調査結果が紹介された。「自民党に期待できないから」が46%、「石破政権に期待できないから」が20%、「他の政党の方が期待できるから」が15%と、与党への失望感が目立つ結果だった。出演したお笑い芸人カズレーザーは「これは誰かへの支持というより、自民党へのノーが多い」と指摘。そこから河野氏への直球質問が飛んだ。
「率直すぎて笑った」
「こういう返しができる政治家は少ない」
「トップだったら結果は違ったのか聞いてみたい」
「党内の壁ってやっぱり厚いんだな」
「減税に踏み込めない限り支持は戻らない」
党内説得の難しさと政策の不一致
河野氏は昨年の自民党総裁選で、現役世代の社会保険料負担軽減を掲げ、メリハリのある給付政策を訴えた。しかし党内では財政再建を優先する声が強く、消費税減税には否定的な空気が支配的だった。
「消費税は減税しないと言っておきながら給付するのはおかしい。必要な人に出すなら分かるが、全員給付は違う」と河野氏は振り返る。最終的に党は全員一律の給付を決定し、河野氏の主張は通らなかった。「党内を説得しきれなかったのは自分の力不足」と、自らの限界を認めた。
有権者の視線は“減税”と“メリハリ給付”
今回の参院選では、減税や対象を絞った給付を訴えた野党の一部が票を伸ばした。河野氏は、自らが提案していた政策が有権者の関心と一致していた可能性を感じていると示唆した形だ。
ただ、自民党内で減税に踏み込むことは依然として困難だ。財政健全化と減税の両立、さらには将来の社会保障制度の持続性確保という課題が、党内外の議論で衝突している。
“トップ”発言の余波
河野氏の「トップだったら負けなかった」発言は、党内の一部に波紋を広げそうだ。現総裁の石破茂首相に対する直接的な批判ではないと強調する向きもあるが、党内外では「石破体制への不満の表れ」との見方も出ている。
今後、自民党が参院選敗北から立て直しを図る上で、減税の是非や給付のあり方は避けて通れない論点となる。河野氏の発言は、その議論の火種としてしばらく尾を引きそうだ。