2025-07-21 コメント投稿する ▼
河野太郎氏が選対委員長代行を辞任 参院選敗北で幹事長批判『責任取らなければ党再生なし』
河野太郎氏が選対委員長代行を辞任 「幹事長が辞めないのはおかしい」発言の波紋
自民党の河野太郎衆院議員が、参院選での敗北を受け、選挙対策委員長代行の職を辞する意向を明らかにしました。7月21日、自身のX(旧Twitter)にて次のように投稿しています。
木原誠二選対委員長に、私の委員長代行の辞表を預けました。関税交渉の最中に総理がお辞めにならないのは理由があるにせよ、選挙の責任者である幹事長がまだ辞表を出していないのはおかしい。こういうところから直していかないと、自民党の再生はありません。
この投稿が公になった直後から、政界に大きな波紋が広がっています。自民党の今後の再建に向け、責任の取り方や党内の危機意識が改めて問われることになりそうです。
参院選敗北で露呈した党内の温度差
今回の参院選では、自民党は非改選を含めて過半数維持を狙っていましたが、公明党との連携をもってしても議席数は47にとどまり、目標としていた「与党単独で50議席」に届きませんでした。
河野氏はこの結果に対し、選挙責任を明確にすべきだと訴え、自ら辞表を提出するという形で責任を示しました。その一方で、選挙戦を統括していた森山裕幹事長が辞任していないことに疑問を呈し、自民党執行部のあり方に強い問題意識を示しています。
選挙の責任者である幹事長がまだ辞表を出していないのはおかしい
この言葉は、自民党内の“責任の所在”の曖昧さに対する強烈な批判であり、党運営の刷新を訴えるメッセージでもあります。
「総理は続投も理解できる」河野氏が一線引く
河野氏はまた、選挙後の政局において首相の去就が注目されていることに触れつつも、外交・通商の現場を踏まえた冷静な判断を見せています。
関税交渉の最中に総理がお辞めにならないのは理由があるにせよ
現在、石破茂首相は日米間の重要な関税交渉にあたっており、国際情勢が不安定な中でのリーダー交代は避けるべきとの見方も根強い中、河野氏はあえて首相の続投には理解を示しています。しかしそれでも、選挙という国内政治の節目において「幹事長の責任」は明確に問われるべきだというのが、河野氏の揺るがぬ主張です。
自民党再生のカギは「責任の見える化」
河野氏がXで述べたもう一つの印象的な言葉があります。
こういうところから直していかないと、自民党の再生はありません。
これは、ただのポジショントークではなく、党内改革への警鐘です。組織が変わるにはまず、自ら襟を正すことが求められます。責任を曖昧にしたままでは、有権者の信頼は取り戻せません。河野氏の辞表提出は、自らがその「改革の第一歩」を体現するという強い意思表示といえるでしょう。
党内外からも支持と危惧の声
今回の河野氏の発信に対し、党内では若手議員を中心に「責任を取る姿勢を示したのは潔い」と支持する声がある一方で、「執行部批判は分裂を招く」と懸念する向きもあります。加えて、野党や識者からは「責任を明確にしないままの執行部体制は、有権者の目には不誠実に映る」との指摘も出ています。
特に、選挙後の民意をどう受け止めるかという点で、国民の信頼回復には、政策論だけでなく、「誰がどう責任を負うのか」という説明責任が不可欠です。
河野太郎氏のこれまでの姿勢と一貫性
河野氏といえば、行政の透明性や無駄の排除を訴え、デジタル化や規制改革を積極的に推進してきた改革派政治家として知られています。過去にも内閣府や外務省などで既得権益に切り込む姿勢を貫いてきました。
今回の辞表提出も、その延長線上にある行動です。組織の問題点を放置せず、自己保身よりも変化を選ぶ姿勢は、河野氏の政治信条をよく表しています。
森山幹事長の進退と党の岐路
今後、自民党の再建に向けて焦点となるのは、森山幹事長がどう判断するかです。辞任することで“けじめ”を示すのか、それとも続投し、責任を果たし切る構えを見せるのか。いずれにせよ、党の信頼を取り戻すには明確な対応が求められます。
同時に、石破政権がこの事態をどう収拾し、再出発の旗を掲げるのか。その手腕も問われます。
信頼回復へ必要なのは、明確な「責任」と「姿勢」
河野太郎氏の辞表提出は、単なるポストの辞任ではありません。党の在り方そのものに問題提起をした、強い意思の表れです。責任を取るべき人が取らず、声を上げる者が疎まれるような空気が続けば、有権者の信頼は二度と戻ってこないでしょう。
今、自民党に必要なのは、“誰が失敗の責任を取り、どう未来へ活かすのか”を示すこと。その第一歩を踏み出したのは、間違いなく河野氏でした。国民はその姿勢を見ています。選挙後の自民党がどう応えるのか――その答えは、党の命運を分けることになるかもしれません。