2025-11-05 コメント投稿する ▼
河野太郎がガソリン暫定税率廃止を批判「フェラーリのガソリン下げる必要ない」発言で炎上
河野太郎氏が2025年11月にガソリン暫定税率廃止を厳しく批判し、大きな波紋を呼んでいます。 河野氏が指摘する燃料補助金の規模は深刻です。 河野氏の批判には一定の根拠があります。 補助金が炭素価格を逆に押し下げる構造的矛盾は、省エネ投資の遅れやエネルギー自給リスク拡大を招いており、長期的な国益を損なう可能性があります。 一方で、河野氏の発言には批判も集中しています。
燃料補助金総額8兆円超の実態
河野氏が指摘する燃料補助金の規模は深刻です。ガソリン価格引き下げのために国庫から3兆円を超える補助金を投入し、軽油・灯油・重油・航空機燃料を含む総額は8兆円を超えると推計されています。さらに電気代引き下げ補助金も加われば、エネルギー価格抑制策の財政負担は天文学的数字に達しています。
2022年1月に始まった燃料油価格激変緩和補助金は、当初の激変緩和措置から常態化し、6回の延長を重ねて3年以上継続されています。2025年度予算でも、ガソリンで年5300億円、電気・ガスで年5500億円規模の支出が見込まれており、財政圧迫の要因となっています。
「車がないと生活できない地方住民を無視するな」
「庶民感覚がまったくない、世襲議員の典型だ」
「フェラーリより通勤や仕事で使う車の方が多いでしょ」
「温暖化対策なら他にやるべきことがあるはず」
「税収確保のために国民に負担を押し付ける発想が問題」
補助金の不平等な配分構造
河野氏の批判には一定の根拠があります。総務省データによると、2024年にガソリンを購入した二人以上世帯は全体の6割だけで、残り4割は補助金の恩恵を受けていません。さらに所得上位2割の世帯は年間5477円の補助を受ける一方、下位2割の世帯では2607円にとどまり、逆進性が指摘されています。
地域格差も深刻で、ガソリン購入量が最多の鳥取市では世帯平均6640円の補助額となる一方、東京では1318円と5倍の開きがあります。これは一律補助の限界を示しており、真に困っている世帯や企業にピンポイントで支援すべきとの河野氏の主張は説得力を持ちます。
脱炭素政策との矛盾
河野氏が最も強調するのは環境政策との矛盾です。燃料価格を人為的に下げることで化石燃料消費が増加し、省エネ車やEVへの転換インセンティブが損なわれています。国立環境研究所の試算では、暫定税率廃止により2030年時点でCO2排出量が約610万トン増加すると予測されており、2050年カーボンニュートラル目標達成に黄信号が灯ります。
今年夏の42度という異常高温や台風被害の深刻化を受け、河野氏は「化石燃料を普通に使っていいんだよというメッセージになってしまう」と警鐘を鳴らしています。補助金が炭素価格を逆に押し下げる構造的矛盾は、省エネ投資の遅れやエネルギー自給リスク拡大を招いており、長期的な国益を損なう可能性があります。
ばら撒き政策からの脱却急務
一方で、河野氏の発言には批判も集中しています。地方では車が生活必需品であり、公共交通機関が脆弱な地域では選択肢がありません。また物価高に苦しむ家計への即効性ある支援として、暫定税率廃止は年間7000円から9670円の負担軽減効果が期待されています。
しかし河野氏の本質的な問題提起は重要です。財政状況を考慮すると、一律補助金は最終的に増税などの国民負担に跳ね返ってきます。代わりに世帯や企業の省エネを進め、次回の燃料費高騰時の影響を小さくする施策や、産業競争力強化と脱炭素推進を両立させる投資が必要です。
ガソリン暫定税率廃止は、補助金の一律投入と同様の効果を生みます。高市政権が掲げる構造改革の理念と、選挙を意識したポピュリズム政策の狭間で、日本のエネルギー政策は重要な岐路に立っています。そろそろばら撒きから脱却し、持続可能な政策体系への転換が求められています。