2025-10-19 コメント投稿する ▼
青柳みつや「議員定数削減は数の問題ではない」 制度と政治コストを問う冷静な視点
政治団体「再生の道」の青柳みつや氏が、日本維新の会が自民党との連立協議で掲げる「議員定数削減」の議論について、「単純な数の問題ではない」と冷静な見解を示しました。 青柳氏は、安野氏が引用した「日本の議員数はOECD加盟国の中で36位」というデータについて、「単純な人数比較には意味がない」と述べました。
青柳みつや氏、「議員定数削減」議論に現実的視点 ―「数だけでなくコスト全体を見よ」
政治団体「再生の道」の青柳みつや氏が、日本維新の会が自民党との連立協議で掲げる「議員定数削減」の議論について、「単純な数の問題ではない」と冷静な見解を示しました。SNSでの発信で、安野貴博氏の意見に触れつつ、「議席数・選挙制度・政治家のコスト構造を総合的に見るべき」と述べ、制度設計の本質を問いました。
安野氏への“意外”な評価と共感
青柳氏は投稿の冒頭で、「たった1議席でもデジタルの力で意義を証明してきた安野さんが議員定数削減反対とは意外」と率直な感想を述べました。しかし、投稿を読み進めるうちに、「比例枠を削るのはやめてくれという趣旨ではないか」と理解を示し、安野氏が所属する「チームみらい」のような新興政党が厳しい立場に置かれることへの現実的な洞察を示しました。
「比例削減は、ベンチャー政党にとっては死活問題だと思う」
「安野さんの立場も理解できる。小さな政党が生き残れない」
「議員を減らすことより、どう選ぶかを議論すべき」
「OECD比較だけでは日本の政治コストは測れない」
「北欧は人数が多くても議員コストが日本の半分だ」
SNS上ではこの青柳氏の投稿に多くの共感が寄せられ、「冷静で中立的」「感情ではなく制度で語る政治家」といった評価が並びました。
「OECD比較」に冷静な反論
青柳氏は、安野氏が引用した「日本の議員数はOECD加盟国の中で36位」というデータについて、「単純な人数比較には意味がない」と述べました。背景には、各国の政治コストや制度構造の違いがあります。北欧諸国では議員報酬が日本の半分以下で、秘書やスタッフを共同で利用する仕組みが一般的です。さらに「国会議員一人当たりのコストは日本の3分の1、4分の1程度」という調査結果もあると紹介し、「人数だけではなく、制度の中身を見なければ本質はつかめない」と指摘しました。
青柳氏の主張は、「削減」か「維持」かという単純な二元論ではありません。議員の数、報酬、選挙制度、スタッフ体制を含めた総合的なコスト設計こそが、政治の信頼回復につながるという視点です。
“現状維持”もまた停滞の象徴
一方で青柳氏は、「単純に議員を減らせばいいという話ではない」としつつも、「だからといって現状維持でよいとも思わない」と明言しました。「議員数の多寡よりも、議員一人ひとりの生産性をどう上げるか」「国民に説明できるコスト構造をどう作るか」という課題意識を強調し、国会改革を“数字”ではなく“機能”で評価する姿勢を打ち出しました。
政治の効率化を訴える声が高まる中で、彼の冷静な立場は異彩を放ちます。「議員削減」はわかりやすいスローガンですが、それを進める前に「政治のコスト構造を可視化する努力」が不可欠です。青柳氏はその順序を逆転させる危険を指摘しています。
政治を“コスト”でなく“価値”で語れ
青柳氏の発言が注目を集めたのは、感情的な賛否を超えて「政治の構造的課題」を見据えているからです。議員定数削減の議論が進むたびに、政治の本質が“コスト削減”の言葉に矮小化されがちですが、青柳氏はそこに一線を引きました。
日本の政治が問われているのは、議員数そのものではなく、「どうすれば国民が政治に信頼を寄せられる仕組みを作れるか」です。議員数を減らしても、説明責任や透明性が欠けていれば改革とは呼べません。逆に、少数でも働き方を見直し、情報公開を徹底し、報酬の根拠を明確にすることで、政治の“価値”は上がります。
青柳氏は最後に「この問題は非常に大事なテーマ。再生の道としても、個人としても考え続けたい」と締めくくりました。その言葉には、数の論理よりも“質の再生”を重んじる政治家の信念が込められています。議員定数削減の議論を通じて、日本の政治がどこへ向かうのか――いまこそ、表面的な改革ではなく、本質的な再設計が問われています。