2025-07-23 コメント投稿する ▼
奈良市・仲川げん市長が5期目スタート 新ごみ処理施設「議論に決着を」
5選果たした仲川市長「市民の期待に応える4年に」
奈良市の仲川げん市長が23日、5期目の就任会見を開き、選挙戦で争点の一つとなった新ごみ処理施設の建設について「市議会と意思疎通を図りながら、議論を決着させたい」と意欲を示した。今月20日の市長選での勝利を受けての再任で、仲川市政は16年目に突入する。
同日午前、市役所に初登庁した仲川市長は、職員らの拍手と花束で迎えられ、「市民の期待の重さを痛感している。皆さんには、受け身ではなく能動的に課題に挑戦してほしい」と職員に呼びかけた。
記者会見では、少子高齢化や物価高騰といった喫緊の課題に対応することに加え、「市民の声を積極的に市政に取り入れる姿勢を重視したい」と語り、対話型の市政を継続していく方針を示した。
ごみ処理施設は“最大の争点” 老朽化と建設場所に課題
今回の市長選でも注目されたのが、新たなごみ処理施設の建設問題だ。奈良市の現在の施設は老朽化が進んでおり、近い将来の更新が急務とされている。一方で、建設予定地をめぐっては地元住民の反発や合意形成の難しさから、長らく計画が宙に浮いた状態が続いている。
仲川市長は「現施設の老朽化は待ったなし。どこで建設するのが最も合理的か、感情論ではなくデータと現実に基づいて議論すべき」と語り、市議会との協調と住民理解の両立を目指す姿勢を強調した。
「16年目の市政なら、さすがに決着をつけてほしい」
「もう何年も“場所が決まらない”で放置されてる」
「奈良市のごみ行政はいつも遅れている印象」
「地元住民の声を無視しない形で進めてほしい」
「施設の老朽化、災害時の不安を感じる。早急な整備を」
市民からは、現状の危機感とともに、対話と納得感ある政策決定を求める声が多く寄せられている。
長期政権の課題と期待「対話と決断」が問われる4年間
5期目のスタートを切った仲川市政。長期政権ゆえの安定感に期待が寄せられる一方で、「変化が見えにくい」「決めきれない」といった批判も根強い。ごみ処理施設問題に象徴されるように、対立や停滞が続いてきた政策課題にどう具体的な結論を出すかが、今任期で最も問われる点といえる。
新型コロナ以降、財政も人材も限られる中、課題は山積している。仲川市長は「市民にとって分かりやすく、納得のいく市政を行いたい」と語ったが、その言葉を具体的な形にできるかが今後の評価に直結する。
奈良の未来に向けた議論の「終わり」をどう描くか
ごみ処理施設問題は、環境政策だけでなく、市民参加型の政治や自治体間連携の在り方も問うものだ。仲川市長が掲げる「議論の決着」は、単なる建設計画の推進ではなく、合意形成のプロセスそのものが焦点となる。
対話を重ねても、答えが出ないままでは「市民の期待に応えた」とは言えない。今こそ、リーダーシップと説明責任、そして妥協なき対話のバランスが問われている。