2025-05-02 コメント投稿する ▼
れいわ新選組、かばた健吾氏を大阪選挙区から擁立 介護福祉士が参院選に挑戦「維新政治を終わらせる」
れいわ、かばた健吾氏を公認予定 大阪選挙区から参院選へ
れいわ新選組は5月2日、次期参院選の大阪選挙区(改選数4)に、介護福祉士で4人の子どもを育てるかばた健吾氏を公認候補予定者として擁立すると発表した。大阪市内で開かれた会見には、共同代表で衆院議員の大石あきこ氏も同席。「維新がつくった“自己責任”の空気を終わらせたい」と語り、福祉と現場からの政治を前面に押し出す選挙戦になると意気込んだ。
「誰かの役に立ちたい」から始まった20年の介護人生
かばた氏は大阪・阿倍野生まれ。高校卒業後、介護職に就き、訪問介護やデイサービスで高齢者を支えた。のちに障害者の自立支援施設に移り、当事者とともに全国の現場に立ち続けた。「自分が何かをしてあげるんじゃない。支援は“その人が自分で選べるようになること”」と語る言葉に、20年以上の経験がにじむ。
東日本大震災後には、被災地に赴いて障害者の安否確認や生活支援に携わった。「防災も支援も“健常者基準”では命が守れない」。その実感が、政治への問題意識へとつながっていった。
政治参加のきっかけは「都構想」と山本太郎氏
彼の政治への目が開かれたのは、いわゆる「大阪都構想」だった。「福祉が削られるのが見えていた。絶対に許せなかった」。2015年、そして2020年と住民投票のたびに反対運動に加わった。
そんな中、山本太郎代表の街頭演説に偶然足を止めた。「2時間聞いて、涙が出た。“本気の政治家”がいるんだと衝撃を受けた」。生まれは創価学会の家庭、公明党を支援してきたが、都構想や安保法制への賛成に疑問を持ち、抗議の電話をかけた経験もある。「あの瞬間、自分の中で何かが変わった」と振り返る。
掲げる政策は「現場視点」 消費税廃止と10万円賃上げ
れいわ新選組の方針に沿って、かばた氏が掲げるのは「消費税の廃止」と「現場の賃上げ」だ。「ヘルパーや介護士は専門性も忍耐力も必要なのに、給与は業界平均を下回る。これでは人が続かない」。
介護保険料が全国で最も高い大阪市の現状にも触れ、「“保険料が怖くて病院に行けない”という声を減らしたい」と語る。れいわは介護・保育・教育の担い手に月10万円の恒久的な賃上げを主張しており、「ただの福祉政策ではない。経済を下支えする投資だ」と強調した。
万博には冷ややかな視線 「子どもを政治の道具にするな」
大阪・関西万博についても明確に反対の立場を示す。「子どもたちの遠足で“半強制的”に行かされるのはおかしい。命の安全と選ぶ権利は守られるべきだ」。実際に子ども4人を育てる父親として、教育と政治の距離に危機感を示す。
一方、大石氏も「政治が教育現場を支配してはいけない」と語り、4月13日には共に万博中止を求めるデモに参加。現場と生活に根ざした視点で、れいわの対案を示していく姿勢を示した。
目標は維新の牙城崩し 60万票で当選を目指す
大阪選挙区では、これまで維新・自民・公明が4枠を占めてきた。だが大石氏は「その構図を壊す」と断言。「維新は裏金問題や万博への不満で支持を落としている。れいわがそこに入り込む余地は十分ある」。
前回の得票数(約11万票)から大きく伸ばし、60万票を目標に据える。「維新に失望した人たちが“次の受け皿”を探している。その声に本気で応える」と、かばた氏は語る。
この夏、福祉の現場と生活者の声を代弁する新たな候補が、大阪から国政に挑む。