2025-04-30 コメント: 2件 ▼
「万博ビジネス」を問い直す交野市長・山本けい氏の異議申し立て――IRと市民生活の狭間で
交野市長・山本けい氏が語る“レッテル貼り”への違和感
2025年大阪・関西万博の開催が迫るなか、交野市の山本けい市長がSNS上で示した意見が注目を集めている。
隣接地にカジノを含むIRで利用するとともに、万博で整備されたインフラを流用する行為は、まさに『万博ビジネス』そのものだと思います。
これは山本市長が4月29日にX(旧Twitter)に投稿した内容の一部だ。発言は続く。
『万博ビジネス』を推進してきた方々が、反対意見を『反万博ビジネス』とレッテルを貼っているだけではないでしょうか?
この投稿は、万博開催を巡って賛否が分かれる中で、「反万博=迷惑行為」という単純な二元論への疑問を投げかけるものだった。山本市長は、これまで万博に伴うインフラ整備が、結果的にIR(統合型リゾート)開発と一体化している実態を問題視している。
「反万博ビジネス」という言葉への違和感
万博を支援していない自治体や住民に対し、最近一部で使われ始めた「反万博ビジネス」という言葉。これについても、山本市長は強く異を唱える。
反対派が何か利権や収益目的で動いているかのような印象を与えるこの言葉自体が、極めて政治的です
山本氏が繰り返し訴えているのは、“万博の開催に伴う市民生活への影響”だ。実際、交野市ではバス運転手不足が深刻化し、日常の交通が成り立たなくなる懸念が現実のものとなっている。
「万博首長連合」からの脱退の理由
山本市長は2023年、「大阪・関西万博首長連合」からの脱退を表明した。理由は明確だ。「子どもたちを万博に無料で招待する事業のために、民間バス会社が運転手を確保できず、市民の日常生活に支障が出ている」
この声に対し、万博推進派からは「協力しないのはけしからん」「足を引っ張るな」といった批判も少なくない。しかし、山本市長は冷静にこう返す。
「むしろ、推進する側こそ“ビジネス”としての万博を見ているのでは?私は、市民生活の安定と自治体の持続可能性を第一に考えています」
万博とIRの“抱き合わせ”構造に警鐘
万博の舞台である夢洲(ゆめしま)では、その後にカジノを含むIR施設の建設が予定されている。山本氏はこの構造を「抱き合わせ」と批判する。
夢洲でのインフラ整備に公費を投入し、それをIRが“後利用”する構図は、もはや万博単体の話ではない。セットで動いているのが実態です
このように、山本市長は「万博を口実に、カジノ整備を進める手段と化している」として、慎重な議論を呼びかけている。