2025-12-05 コメント: 1件 ▼
「おこめ券は選んではいけない」交野市長、経費率の高さを批判
「おこめ券」は、コメの価格高騰に対する支援策として、国が自治体に提供する選択肢の一つとして紹介されている。 交野市の市民にとって、より直接的で有用な支援を提供するためには、おこめ券のような間接的な支援方法は不適切だという立場を鮮明にした。 コメの価格高騰に対する支援の方法として、おこめ券にこだわる必要はないと強調し、より多様な支援方法が必要だと訴えた。
おこめ券に対する反発、首長の意見が続出
2025年12月5日、大阪府交野市の山本景市長が記者会見を開き、国の総合経済対策に基づく「重点支援地方交付金」の推奨メニューとして提案された「おこめ券」について厳しい批判を展開した。山本市長は、この施策が市民に対する効果的な支援策とは言えないとし、「選んではいけない選択肢だ」と断言した。
「おこめ券」は、コメの価格高騰に対する支援策として、国が自治体に提供する選択肢の一つとして紹介されている。しかし、山本市長はこの施策を極めて高コストであると指摘。その経費率が高く、最終的に市民の利益を最大化するものではないとの見解を示した。特に、郵送費や人件費を含む経費が20%以上に達し、支援金の実質的な効率が低いことが問題視されている。
「支援金を配るためにかかるコストが高すぎる。これでは市民に直接的な利益をもたらすことができない」と山本市長は述べ、代わりに水道料金の減免や学校給食費の無償化など、もっと実効性のある施策に交付金を充てる方が有益だと強調した。交野市の市民にとって、より直接的で有用な支援を提供するためには、おこめ券のような間接的な支援方法は不適切だという立場を鮮明にした。
この意見は、他の自治体首長にも共鳴を呼んでいる。静岡市の難波喬司市長も4日の定例会見で、「おこめ券を選択肢の一つとして提示されても、自治体として採用するつもりはない」と明言。コメの価格高騰に対する支援の方法として、おこめ券にこだわる必要はないと強調し、より多様な支援方法が必要だと訴えた。
コスト効率の観点から批判
山本市長が示した経費率の高さに対する懸念は、単なる個別の自治体の問題に留まらず、全国的に広がりを見せている。おこめ券は、コメを購入するための引換券であり、配布には郵送などの手続きが伴うため、実際に支援が届くまでにかかるコストが高くつく。このような支出が、限られた予算の中で本当に市民の生活支援に繋がるのかについては、再考の余地があるというのが多くの首長の見解だ。
実際、山本市長の指摘通り、交付金を活用した他の施策と比べて、おこめ券が果たす支援効果は薄いと考える自治体が増えている。水道料金の減免や給食費の無償化は、直接的に市民の生活に影響を与えるものであり、実施のためのコストも低く抑えられるため、より効果的であるとされている。
市民目線での支援策
山本市長が重視するのは、市民目線での支援である。市民が本当に必要とする支援を提供することが、経済対策の本質であり、そのためには無駄なコストを避け、効率的に資金を活用することが不可欠だという立場だ。支援の形態がどうであれ、市民がその恩恵を実感できることが最も重要だと強調している。
「おこめ券にこだわる必要はない」と難波市長が述べたように、選択肢を多様化し、市民一人一人にとって最も必要な支援を行うべきだという意見は、多くの自治体で支持を受けている。特に、コメが高騰している現状でも、市民が最も困っているのは水道料金や給食費など、日々の生活に直接関わる部分であることから、このような支援が求められている。
今後の動きと自治体の対応
おこめ券に関する議論は、今後も続くと予想される。自治体は、国の経済対策に沿った形で支援策を選択することが求められているが、その選択にあたっては、現場の実情や市民のニーズを十分に考慮しなければならない。山本市長や難波市長のように、市民目線を大切にし、コストのかからない効率的な支援策を求める声は、今後も全国で高まる可能性がある。
また、今後の議論によっては、国が提案する施策に対する自治体の選択権を拡大し、地域の特性やニーズに応じた柔軟な支援が可能となることが期待される。市民にとって最も効果的な支援策を提供するために、自治体と国の協力がさらに重要になってくるだろう。