2025-07-28 コメント投稿する ▼
日本政府、米EU関税合意を高く評価 林官房長官「日本経済への不確実性が低下」
日本政府、米EU関税合意を歓迎 林官房長官「経済への不確実性が後退」
日本政府は、いわゆる「トランプ関税」をめぐって米国とEUが関税引き下げで合意したことを受け、これを高く評価した。林官房長官は7月29日の会見で、「米国の通商政策に対する不確実性が低下し、日本経済への下押しリスクが和らいだ」と述べ、日本企業への悪影響が回避されるとの認識を示した。
米の通商姿勢に転機 日本の立場に追い風か
今回の米EU合意は、トランプ前政権下で導入された高関税政策の見直しが進みつつあることを示すもので、日本にとっても経済外交上の追い風といえる。すでに日本は2024年に米国と2国間で一部関税の見直しに合意しており、今回のEUとの合意により、「保護主義から多国間協調への移行」がさらに加速する可能性がある。
林官房長官は会見で、「わが国やEUと米国との合意により、米国の通商政策に関する不確実性が低下し、米国の通商政策がわが国経済や世界経済を下押しするリスク、これを低下させるものと考える」と述べた。
特に自動車部品や鉄鋼、アルミニウムなどの分野では、日本企業が米市場で競争力を維持する上で極めて大きな意味を持つ。また、こうした流れはアジア全体にも波及する可能性がある。
中小企業支援を強化 国内への影響も注視
林官房長官はまた、関税問題の影響を受けてきた中小企業への支援についても言及し、「資金繰りなどの支援措置を講じ、産業や雇用を守るために万全を期す」と強調した。すでに日本国内では鉄鋼業、機械加工業など一部業種で対米輸出が鈍化していたとの指摘があり、政府としては政策的な後押しを強化する構えだ。
市民からも、経済への不安と期待が交錯している。
「やっと関税の重しが取れる。ようやくかって感じ」
「不確実性が減るのはありがたい。でも油断は禁物」
「アメリカの都合で翻弄されすぎじゃないか?」
「中小企業は支援だけじゃなくて販路の多様化が必要」
「政治が外交で経済を守る。当たり前だけどそれが難しい」
通商外交の手綱を握る石破政権の試金石
石破政権にとっても、今回の関税合意は一つの成果となる可能性がある。岸田前政権時に交渉がスタートしたとはいえ、米EU合意の流れを活かして通商政策の安定化と自由貿易体制の強化を進めることができれば、日本の外交力への信頼感も高まる。
林官房長官は「今後も米国や他の主要国との協議を丁寧に進め、国内産業への影響についても継続的に分析していく」と述べ、経済安定と通商交渉の両立に意欲を見せた。
日本はこれまでも自由貿易の旗手として多国間枠組みを主導してきたが、米国の政権交代によって再び保護主義が強まる可能性もある中、今後の外交対応が問われる。
トランプ関税の余波を警戒 2024年米大統領選がカギに
今回の関税合意は、バイデン政権がトランプ時代の保護主義的政策から一定の距離を置く姿勢を明確にした動きとも読み取れる。しかし、2024年の米大統領選でトランプ氏が再び政権を握る可能性が取り沙汰される中、通商政策の先行きには依然として不透明感が漂う。
そのため、日本政府は今後も柔軟な外交と経済対応を求められることになる。目先の合意に安心せず、中長期的な視点での国益確保が重要だ。