2025-06-16 コメント投稿する ▼
「2万円給付」は“消費税の帳尻合わせ”?石破政権の選挙公約に見える財政矛盾と欺瞞
「2万円給付」の根拠は“年間の食費にかかる消費税”
石破茂総理大臣が夏の参議院選挙に向けて掲げる目玉公約、「全国民一律2万円の給付」。その根拠について、林芳正官房長官は6月12日の記者会見で「1年間の食費にかかる消費税負担額」を念頭にしていると説明した。
林長官によると、「家計調査をもとにすると1人あたり約2万円、マクロベースでの消費税収からは約4万円の負担が推計される」とし、その中間水準を基に2万円という額を設定したと語った。
これは言い換えれば、「毎年、消費税でこれだけ取っているから、たまには返してあげますよ」という構図に他ならない。政府が一貫して否定してきた“消費税の逆進性”を、ここにきて公式に認めた形でもある。
「つまり、消費税って庶民にこれだけ重いってことを政府が自白した?」
「返すぐらいなら最初から取るな」
「2万円で支持を買えると思ってるのが浅はか」
「選挙前だけ配って終わりかよ」
「この国はバラマキでしか政治できないのか」
SNSでは、「一律給付」の名のもとに税金を“貸して返す”だけの公約に、冷めた視線が広がっている。
公約の財源は“税収の上振れ”とするが…
自民党は今回の2万円給付について、7月の参院選公約として正式に打ち出す方針だ。加えて、住民税非課税の低所得世帯の大人や、すべての子どもに対しては4万円を支給するとしている。
財源には「税収の上振れ分」を充てるとされているが、石破総理自身が11日の党首討論で「税収を還元できるような財政状況ではない」と明言していたこととの整合性を問われた林官房長官は、「新たに国債を発行して財政をさらに悪化させるべきではない、という趣旨だ」と釈明した。
しかし、この説明は苦しい。そもそも“財政状況が悪い”ことを前提にしながらも、税収が上振れたからといって一時的なバラマキに充てるというのは、構造改革を放棄した短絡的な財政運営に見える。
しかも、所得制限の有無を巡る制度設計も曖昧なままで、将来的な持続性や公平性に対する考慮はほとんど見られない。
“2万円”で国民の不満を買収できるという傲慢
今回の2万円給付には、消費税を下げろという国民の声への“ガス抜き”の側面もあるだろう。実際、消費税の減税や廃止に関する世論は根強く、一部の野党は「食料品や日用品に対してゼロ税率を適用すべき」と訴えている。
ところが、政府与党はそうした抜本的な税制見直しを頑なに拒み続ける一方で、選挙前にだけ一時金を配るという“その場しのぎ”の策に出た。まさに、国民を一過性の現金で黙らせようとする、典型的な「買収型政治」だ。
「給付より減税しろって何度言わせるんだ」
「一律で配って、また物価で吸い上げるのか?」
「その2万円が回収されるのに何日もかからない気がする」
「毎回選挙のたびにバラまき公約。もううんざり」
「日本国民ってここまでなめられてるんだな」
ネットでも、金額の妥当性以前に、政治家の姿勢そのものに怒りが集まっている。
繰り返される“給付型公約”の末路と財政のゆがみ
この手の「選挙前給付」は、過去にも繰り返されてきた。コロナ禍では特別定額給付金として10万円が支給され、直近では子育て世帯や低所得者向けに一律5万円、あるいは自治体による独自の給付も頻繁に行われてきた。
だがそのたびに指摘されるのは、持続的な経済効果のなさと、財政のゆがみである。一時的に消費が伸びても、構造的な景気対策にはつながらない。加えて、「もらったらすぐ終わり」という制度は、国民の政策不信を高めるだけである。
根本的な問題は、税の使い道や制度設計に対する政府のビジョンが欠如している点だ。年金、医療、子育てといった持続可能な制度改革には踏み込まず、とりあえず現金をばらまいて選挙を乗り切る。このような手法を続けていては、将来的に本当に必要な財源すら確保できなくなる。
今こそ“給付ではなく減税”という本筋に立ち返れ
本来、今回の2万円給付で想定される「年間食費の消費税負担」を軽減したいのであれば、まず検討すべきは消費税の減税や複数税率の見直しだ。特に食料品や日用品に対してゼロ税率を導入すれば、すべての家庭が継続的に恩恵を受けられる。
にもかかわらず、減税には一貫して否定的な政府が、給付だけは繰り返す。その背景には、「減税では票にならないが、現金は票になる」という短絡的な政治的思惑が透けて見える。
だが、日本の財政はすでに国債依存が極限に達しており、今後の人口減少・高齢化の中で、このようなバラマキ体質が通用する余地はない。選挙ごとに現金を配る“ポピュリズム”ではなく、将来世代にも責任を果たせる財政運営と税制設計が求められている。
国民が望んでいるのは「2万円でごまかされる政治」ではなく、「継続的に安心できる暮らし」だ。政府はその現実に真摯に向き合うべきである。