2025-10-16 コメント投稿する ▼
林芳正官房長官が慰安婦問題説明継続を表明、ベルリン少女像撤去命令受け
林芳正官房長官氏は2025年10月16日の記者会見で、ドイツの首都ベルリン市にある慰安婦の被害を象徴する少女像の撤去命令を巡り、「政府は慰安婦問題の考え方や取り組みを説明してきた。 ドイツの首都ベルリンの行政裁判所は2025年10月13日、公有地にある従軍慰安婦の被害を象徴する少女像について、韓国系市民団体「コリア協議会」に対し撤去を命令しました。
ベルリン行政裁判所が撤去命令
ドイツの首都ベルリンの行政裁判所は2025年10月13日、公有地にある従軍慰安婦の被害を象徴する少女像について、韓国系市民団体「コリア協議会」に対し撤去を命令しました。裁判所が10月14日に発表したものです。
裁判所は、コリア協議会が少女像の公有地への設置を「容認し続けるよう求める権利はない」と判断しました。「撤去が妥当な措置だ」とした上で、コリア協議会が応じない場合は「強制的な手段」が必要だとしています。
この少女像を巡っては、ベルリン市ミッテ区が2025年9月に10月7日までに区の公有地から撤去するよう命じ、従わない場合は3千ユーロ、約50万円の制裁金を科すと警告していました。これに対してコリア協議会が9月に存続を求めて裁判所に仮処分を申し立てていましたが、裁判所は区の主張を認める形となりました。
「慰安婦問題は解決済みなのにまだ像が残ってるのか」
「ドイツの裁判所が撤去命令を出したのは正しい判断だと思う」
「日本政府はもっと強く抗議すべきだった」
「歴史問題は複雑だけど法的には解決してるはず」
「韓国側が上訴するなら問題は長引きそうだ」
コリア協議会は移設提案を拒否
少女像を巡っては、ミッテ区が代替地として約100メートル離れた私有地への移設を提案していました。しかし、コリア協議会は「性的な暴力の象徴であるこの像が、公の場所から撤去されるのを防ぐのが使命だ」として拒否していました。
ミッテ区は「規則に基づき手続きを進めている」と説明しており、公有地への設置許可を取り消す手続きを進めてきました。裁判所の決定に対しては上訴することが可能で、コリア協議会の出方が注目されます。
林官房長官が政府の姿勢を説明
林官房長官氏は10月16日の記者会見で、この撤去命令を巡って日本政府の立場を改めて説明しました。「政府は慰安婦問題の考え方や取り組みを説明してきた。正当な評価を受けるよう引き続き努力する」との発言は、日本政府が慰安婦問題について国際社会に対して一貫した説明を続けていく姿勢を示したものです。
日本政府は、慰安婦問題について2015年の日韓合意で「最終的かつ不可逆的に解決されたことを確認した」との立場を取っています。この合意では、日本政府が韓国政府と協力し、全ての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復、心の傷の癒やしのための事業を行うことが合意されました。
世界各地に設置される少女像
慰安婦を象徴する少女像は、韓国国内だけでなく、アメリカ、カナダ、オーストラリア、中国、台湾、ドイツ、イタリアなど世界各地に設置されています。2018年8月時点で韓国内だけでも100体を超える少女像が存在し、そのほとんどが公有地に設置されています。
少女像は2011年に韓国の元慰安婦女性による抗議活動が1000回に達したことを記念して、ソウルの在韓日本大使館前に設置されたのが始まりです。像の正式名称は「平和の碑」または「平和の少女像」と呼ばれています。
日本政府は、在外公館の安寧と威厳を損なうとして、特にソウルの日本大使館前や釜山の日本総領事館前に設置された少女像について、撤去または移転を求めてきました。ベルリンの少女像についても、設置当初から撤去を求める姿勢を示していました。
国際社会への説明を継続
日本政府は慰安婦問題について、歴史的事実を踏まえつつ、2015年の日韓合意に基づく対応を行ってきたとしています。林官房長官氏の発言は、こうした日本政府の取り組みが国際社会で正当に評価されるよう、引き続き説明を続けていく姿勢を示したものです。
ベルリンの少女像を巡っては、コリア協議会が裁判所の決定に上訴する可能性があり、法的な手続きは今後も続く見通しです。日本政府としては、ドイツ政府と連携しながら、適切な対応を求めていくものとみられます。
慰安婦問題は日韓関係における重要な課題の一つであり、日本政府は歴史認識と外交政策のバランスを取りながら、国際社会への説明を続けていく方針です。