2025-09-28 コメント投稿する ▼
林芳正氏、靖国神社A級戦犯分祀に言及 自民党総裁選で候補者の立場分かれる
自民党総裁選(投開票は10月4日)に立候補した林芳正=官房長官は28日、フジテレビ番組で靖国神社に合祀されているA級戦犯の分祀に言及しました。 一方で、高市早苗=元経済安全保障担当相は「靖国神社は戦没者慰霊の中心施設であり、平和を祈るお社だ」と強調し、分祀に否定的な姿勢を示しました。 靖国神社に関する議論は、国内の歴史認識や外交問題に直結します。
林芳正氏、靖国神社のA級戦犯分祀論に言及
自民党総裁選(投開票は10月4日)に立候補した林芳正=官房長官は28日、フジテレビ番組で靖国神社に合祀されているA級戦犯の分祀に言及しました。林氏は「皇室の皆さん含めて、わだかまりなく手を合わせる環境をつくるのは政治の責任の一つだ」と語り、過去に中曽根康弘=元首相らが取り組んだ経緯にも触れました。
他候補の意見と立場
同じ番組に出演した候補者のうち、茂木敏充=前幹事長も「天皇陛下が手を合わせることができない現状を変えるべきだ」と述べ、林氏と同調しました。一方で、高市早苗=元経済安全保障担当相は「靖国神社は戦没者慰霊の中心施設であり、平和を祈るお社だ」と強調し、分祀に否定的な姿勢を示しました。さらに「B・C級戦犯を含め、刑が執行された段階で日本国内では罪人ではない」と述べ、現在の形を維持すべきとの考えを示しました。
小林鷹之=元経済安全保障担当相と小泉進次郎=農相は、首相就任後の靖国参拝について「適切に判断したい」と述べるにとどめ、明確な賛否は避けました。
靖国問題の持つ意味
靖国神社に関する議論は、国内の歴史認識や外交問題に直結します。特にA級戦犯の合祀問題は、皇室による参拝の可否や近隣諸国との関係に影響を与えてきました。分祀論は政治家によって繰り返し取り上げられていますが、実現には宗教法人である靖国神社側の判断が不可欠で、政治的発言がそのまま実行につながるわけではありません。
それでも、総裁選という政権選択の場で候補者が靖国問題に言及すること自体が注目されます。外交政策や歴史認識に関するスタンスを示す試金石とされるからです。
今後の注目点
今回の討論では、靖国参拝や分祀を巡って候補者の立場の違いが浮き彫りになりました。総裁選は政策論争と同時に、歴史認識や象徴的課題に対する姿勢を示す場でもあります。林氏と茂木氏が「皇室や国民がわだかまりなく参拝できる環境」を強調したのに対し、高市氏は「慰霊の中心」という現状維持を訴えました。小林氏や小泉氏は判断を先送りし、柔軟姿勢を残しました。
靖国神社の分祀論はこれまでも繰り返し議論されてきましたが、今回の総裁選を通じて再び焦点化しました。投開票に向け、候補者がどのように発言を展開し、有権者や党員にアピールするかが注目されます。