2025-09-22 コメント投稿する ▼
林芳正氏 自民党総裁選演説で賃上げ・GX推進・党改革を提示
石破政権で官房長官を務めた経験を基盤に、「継承の中に革新を求める」姿勢を明確にし、賃上げ、成長戦略、地方創生、社会保障、党改革と多岐にわたる政策を提示しました。 地方創生では農林水産業を基盤とし、麦や大豆の国産化で食料安全保障を強化すると述べました。
林芳正氏の総裁選出馬演説を詳しく解説
林芳正氏=衆議院議員は、自由民主党(自民党)総裁選挙への立候補演説で、歴史的引用を交えながら「夜明け前が一番暗い」と訴え、厳しい状況を打破する決意を示しました。石破政権で官房長官を務めた経験を基盤に、「継承の中に革新を求める」姿勢を明確にし、賃上げ、成長戦略、地方創生、社会保障、党改革と多岐にわたる政策を提示しました。以下に内容を整理します。
実質賃金1%上昇と成長戦略
林氏は「林プラン」として実質賃金を毎年1%上昇させる目標を掲げました。アベノミクスや新しい資本主義の成果を踏まえつつ、コストプッシュ型の物価高を克服し、賃金上昇が物価を上回る循環をつくると強調しました。その実現には規制緩和や新しい資本主義の推進が不可欠とし、GX(グリーントランスフォーメーション)やDX(デジタルトランスフォーメーション)を成長の柱と位置づけました。
GXでは20兆円規模の移行債を用いた官民協調投資を提案し、水素自動車など新産業の育成を訴えました。DXでは海外企業からの投資意欲を紹介し、AI分野への注力をアピールしました。また、長年支援してきたコンテンツ産業を基幹産業と位置づけ、クリエーターへの利益還元や海外展開でデジタル赤字解消を目指すとしました。
「実質賃金を物価より高く伸ばす」
「GXとDXを新しい資本主義の核に据える」
「コンテンツ産業をさらに成長させる」
「地方企業を支え賃上げの原資を確保する」
「防衛的賃上げという言葉をなくしたい」
教育改革と地方創生
林氏は公教育の充実を成長戦略と並ぶ重要課題とし、1人1台端末の整備を基に創造力やリーダーシップを育成する教育を進めると表明しました。単なる暗記ではAIに勝てないとし、人間特有の共感力や表現力を伸ばす教育を強調しました。
地方創生では農林水産業を基盤とし、麦や大豆の国産化で食料安全保障を強化すると述べました。災害対応では防災庁の設立を「ノウハウを蓄積し迅速に対応する仕組み」と説明し、災害が頻発する日本において不可欠と強調しました。また地方税の偏在を是正し、小規模自治体を支援する「シンク・アンド・ドゥ・タンク」構想を提案しました。郵便局のネットワークを行政支援に活用する姿勢も示しました。
社会保障とユニバーサル・クレジット
林氏は日本版ユニバーサル・クレジット導入を提案しました。世帯や子どもの数に応じた点数化で、低所得層に重点的に給付を行い、中間層を再構築する狙いです。2040年代の団塊ジュニア世代の高齢化に備え、強い経済と社会保障を一体的に進める工程表を作成すると述べました。
党改革と発信力強化
党改革については、政調と広報をつなぎ、DX人材を活用してSNS発信を強化すると表明しました。谷垣総裁時代の「なまごえ」を発展させ、デジタルで全国から声を集める仕組みを構築するとしました。国民の声を聞く力と政策発信力を循環させ、党の信頼を回復する姿勢を示しました。
まとめ
林氏の演説は「秩序の中に進歩を求める」という自民党綱領を踏まえ、実質賃金上昇、GX・DX推進、コンテンツ産業支援、教育改革、地方創生、社会保障強化、党改革と広範囲に政策を網羅しました。官房長官経験を背景に「夜明け前の暗さを超える」と訴え、未来への成長と安定を目指す強い意志を示しました。