2025-08-10 コメント投稿する ▼
石垣市長選スタート トイタ芳行氏「市民ど真ん中」宣言 中山前市長と激突
石垣市長選告示 トイタ芳行氏が市政転換訴え 中山前市長と一騎打ち
沖縄県石垣市の市長選が10日に告示され、前市議のトイタ芳行氏(55)=無所属、新=が第一声を上げた。選挙は、市議会で不信任決議を受け自動失職となった中山義隆前市長(58)=自民・公明推薦=との一騎打ち。投票日は17日で、出直し5選を狙う中山氏と、新しい市政を掲げるトイタ氏の対決が注目されている。
トイタ氏は演説で、経済的に困っている市民を支援するべき時期に、中山氏が進めてきた「台湾航路」開設や、自然環境への影響が懸念されるゴルフ場付き大型リゾート建設を強く批判。「公共性も採算性も見通せない事業に税金を使うべきではない」とし、「市民の力で長期政権を終わらせ、市政を転換しよう」と呼びかけた。
「市民ど真ん中」の市政を掲げる
トイタ氏は「平和で豊かな石垣市を取り戻すたたかいが始まった」と語り、「必ずや『市民ど真ん中』の市政を誕生させる」と訴えた。演説会場では保革の垣根を越えた市民が集まり、盛大な拍手が響いた。日本共産党の赤嶺政賢衆院議員、参院会派「沖縄の風」の伊波洋一氏、高良沙哉氏も応援に駆け付け、同日告示の市議補選に立候補した東山盛あつ子氏(58)=無所属、新=も「市政転換には力を合わせる必要がある」と必勝を訴えた。
「公共事業より市民の生活を守ってほしい」
「観光も大事だが環境を壊す計画は見直すべき」
「長期政権で停滞した空気を変えてほしい」
中山前市長は実績を強調
一方、中山前市長は第一声で「4期15年で市民の生活を支えることができたと自負している」と述べ、自らの実績を強調した。しかし、2011年度から2022年度までの1人当たり市民所得の伸び率は、石垣市が県平均を大きく下回っており、経済指標と発言との間に乖離があるとの見方もある。
中山氏は再選への意欲を示し、観光振興やインフラ整備など従来の政策を推進すると訴えたが、批判的な声も根強い。
「所得が伸びていないのに『生活を支えた』は無理がある」
「環境より開発優先の姿勢が目立つ」
有権者の関心は生活重視か市政継続か
今回の市長選は、公文書改ざん問題で揺れた市政をどう立て直すかが最大の焦点だ。トイタ氏は透明性と市民参加を前面に出し、中山氏はこれまでの実績と経験を武器に支持拡大を狙う。
市内では生活支援や雇用確保を求める声が多く聞かれ、観光開発と環境保全のバランス、市民所得向上の具体策が問われている。選挙戦は終盤まで激しい争いが予想され、結果次第で石垣市の今後の方向性が大きく変わる可能性がある。