2025-10-06 コメント投稿する ▼
宮崎政久委員長が万博未払い問題で現場聴取 「当事者の声は有益」
大阪・関西万博の海外パビリオン工事費未払い問題を受け、衆議院経済産業委員会の宮崎政久委員長(自由民主党)は6日、大阪市内で被害事業者から直接の聞き取りを行いました。 宮崎氏は、窮状を訴える業者の声を丁寧に聴取しました。 宮崎氏は、政治の側が問題を“民間間の契約トラブル”として片づけるのではなく、国の監督責任の観点からも検証が必要だとの認識を示しました。
宮崎政久委員長、万博未払い問題で現場の声聴取
大阪・関西万博の海外パビリオン工事費未払い問題を受け、衆議院経済産業委員会の宮崎政久委員長(自由民主党)は6日、大阪市内で被害事業者から直接の聞き取りを行いました。国会として初めて、被害実態を現場で確認する試みです。
「当事者の声を直接聞けたのは有益」
宮崎氏は、窮状を訴える業者の声を丁寧に聴取しました。参加した事業者らは、工事費の未払いが続き、資金繰りや納税に支障が出ていると説明。追加工事に対する契約不履行や、元請け企業からの圧力の実態を訴えました。
「民間同士の問題では終わらせられない」
「このままでは倒産してしまう」
「国が責任を取らなければ誰が助けてくれるのか」
「社会保険料も税も払えず、差し押さえ目前だ」
「これで万博が成功したと言えるのか」
これらの声を受けて宮崎氏は、「当事者から直接話を聞けて大変有益だった。今後の取り組みに生かしていきたい」と述べ、委員長としての立場から、行政との情報共有と政策提言につなげる意向を示しました。
国会としての姿勢を問われる
今回の現地調査は、閉会中の委員派遣として実施されました。大阪・関西万博の準備が進む一方、海外パビリオンの工事をめぐっては、元請けから下請け、さらに二次下請けへと支払いが滞るケースが相次いでいます。
関係者によると、未払い総額は全国で4億円を超え、すでに複数の業者が資金繰りの限界を迎えています。特に中小業者は、納税や従業員の給与支払いも困難になっており、「国策イベントの陰での経済的被害」として問題視されています。
宮崎氏は、政治の側が問題を“民間間の契約トラブル”として片づけるのではなく、国の監督責任の観点からも検証が必要だとの認識を示しました。
政治決断の必要性と自民党の課題
調査に同行した日本共産党の辰巳孝太郎衆院議員は、「事業者の話を委員会として聞けたのは一歩前進だ」と評価しつつ、「行政に責任を果たさせる政治決断が必要だ」と訴えました。
宮崎氏が率いる経産委員会は、今後も実態調査を継続し、経済産業省への改善要請や立て替え払い制度の検討などを視野に入れています。しかし、自民党政権としても、政治的責任をどう果たすのかが問われる段階に入っています。
特に、国際イベントの開催に伴う下請け構造の不透明さや、法の適用範囲の曖昧さが今回の問題を拡大させた背景にあることは否めません。建設業法の監督強化や、契約書交付義務の徹底など、法制度の見直しも避けて通れない課題です。
万博成功の前提は「現場の信頼回復」
宮崎氏の発言は、現場を見たうえでの慎重な姿勢をにじませています。政治的には直接的な「救済約束」までは踏み込まなかったものの、被害の深刻さを「有益」と評価した点は、従来の自民党対応に一石を投じました。
委員会の現地調査は、被害業者の信頼を回復し、行政と立法が協働するための第一歩となる可能性があります。大阪・関西万博の成功は、こうした足元の問題にどう向き合うかにかかっています。国策イベントの名の下で誰かが犠牲になる構造を断ち切ることが、政治の責任です。