2025-06-24 コメント: 1件 ▼
山尾志桜里氏が国政復帰に意欲 「党顧問では志は貫けない」公認辞退要求は拒否
山尾志桜里氏「国政に戻る」決意語る 公認辞退要求を拒否、民間人守る姿勢貫く
7月20日投開票の参院選に向けて国民民主党からの公認を取り消された元衆院議員・山尾志桜里氏が、25日、産経新聞のインタビューに応じた。山尾氏は会見での説明不足が指摘されていた過去の不倫疑惑について、「事実はない」と改めて否定する一方、「民間人である関係者のプライバシーを傷つけたくなかった」と語り、説明を控えた理由を明かした。
国民民主党の榛葉賀津也幹事長からは、公認辞退と引き換えに党の政策顧問として活動するよう提案されたが、「心には響かなかった」と断ったという。理由について山尾氏は、「かつて民間で無党派のロビー活動にすら制約を感じた。特定政党の顧問という立場では、自らの志を貫けない」と語った。
「政策顧問で終わらせたくないっていう意思を感じる」
「あれだけ追及してきた人が“顧問”で収まるわけないよな」
政治家としての再起を目指す意志は揺るがない。「国家像を自分の言葉で語り、行動する政治家が今、求められている」と語る言葉には、かつて憲法・人権・安全保障に真正面から取り組んできた経験と自負がにじむ。
「子供の質問が一番つらかった」 会見の裏で感じた報道の暴力性
山尾氏がもっとも苦しかったと語るのは、出馬会見で投げかけられた“子供に関する質問”だった。疑惑に関する質問が繰り返された中で、関係者の子供に言及するような内容が飛び出した瞬間、「生配信されているその質問自体が関係者を傷つけかねないと感じた」と述懐した。
多くの記者が政策や立候補の背景について丁寧に取材してくれた一方で、「一部の記者からは、私生活についての質問を繰り返され、何度も『答えられない』と伝えたにもかかわらず、やめてもらえなかった」と明かした。
「メディアの暴力ってこういうことだよな」
「民間人を守るっていう姿勢、一貫してて好感持てる」
会見は出馬に向けた政策発表の場だったはずが、実際の報道では私生活に焦点が当たったことに「ギャップを感じた」と語った。
「三重の脆弱性」が女性政治家を蝕む
今回の騒動を受けて、山尾氏は「女性候補者が置かれる3つの脆弱性」に言及した。一つ目は政党に対する候補者の立場の弱さ。二つ目はSNSなどメディア空間に対する個人の弱さ。三つ目は、男性候補と女性候補に対する社会的反応の差だ。
「自分には支えてくれる人脈や家族がいたからなんとか持ちこたえられたが、同じような状況に置かれた他の女性候補がすべてそうとは限らない」と語り、この三重の脆弱性が制度の歪みとなって女性政治家を遠ざけている現実に警鐘を鳴らした。
「女性にだけ“完璧”を求める社会の空気は未だにある」
「構造の問題を指摘した上で自分の責任も語ってるの、誠実だと思う」
政党側の対応や報道のあり方についても、「私の実感だけで語れば社会の分断を招いてしまう。専門家の分析によって、より客観的に問題の構造を見つめてほしい」と述べ、建設的な議論につなげるよう呼びかけた。
再起へ「自分の言葉で魂を宿す」 国政復帰に意欲
山尾氏は、弁護士や国際法の研究者としての活動を通じても「国政でこそ貢献できる」と確信を深めたという。「自分で書いた原稿を、他人の口で語られると、そこにはどうしても魂が宿らない」と語り、政策の当事者として再び政治の前線に立つ決意をにじませた。
ポピュリズムに与せず、中道の政治を切り開きたいという理想を胸に、いま山尾氏は再び国政の舞台に立とうとしている。