2025-06-12 コメント: 1件 ▼
山尾志桜里氏が国民民主を離党 公認見送りに「統治能力に深刻な疑問」と痛烈批判
山尾志桜里氏が国民民主を離党 公認見送りに「統治能力に深刻な疑問」
国民民主党の山尾志桜里元衆院議員が6月12日、参院選比例代表での公認見送りを受けて離党届を提出し、「国民民主党の統治能力に深刻な疑問を抱かざるを得ない」とする声明を発表した。かつて立憲民主党を離党し、国民民主に合流した山尾氏だったが、今回の対応を「説明なき切り捨て」と受け止め、政党としての意思決定の在り方を強く問題視した。
山尾氏の発言は、参院選を目前に控えた国民民主党の内部に、再び亀裂と不信の空気が漂っていることを露呈させるものとなった。
「説明も筋道もない」 山尾氏が国民民主の決定プロセスを批判
山尾氏は声明の中で、今回の公認見送りについて「何の説明もなく、党内手続きの過程すら示されなかった」と指摘。さらに「政党として、人を迎え入れる決断と、その責任を持って公認に至るまでの過程を丁寧に進める姿勢がまったく見えなかった」と断じた。
「私は信念と政策で国民民主党に加わった。だが、その判断が間違っていたと認めざるを得ない」
「いまの国民民主には、理念で人を束ね、政策で社会を変える力がない」
「自らの名誉より、民主政治のあり方を重視するからこそ、離党という決断を下した」
山尾氏は一貫して憲法議論や人権外交などのテーマに積極的に取り組んできたが、党内では「浮いた存在」として扱われてきた側面も否定できない。今回の見送りは、そうした距離感が表面化した結果とも言える。
党本部は「信頼関係が築けなかった」と説明 火消しに躍起
公認見送りをめぐっては、同日、国民民主党の玉木雄一郎代表がXで「政策能力には期待していたが、党内外から信頼と理解を得られていなかった」と説明。さらに、「誤解を招いたことをお詫びする」としつつも、「公認を見送る判断は苦渋の選択」と述べ、党としての決定を正当化した。
しかしこの説明に対しても、SNSや党内から批判的な声があがっている。
「政策能力がある人を落とすのは組織として異常」
「信頼がないというなら、なぜそもそも公認内定したのか」
「政策ではなく“空気”で候補を決めてるのか?」
「選挙前に党内分裂を起こすとか統治能力なさすぎ」
「山尾氏のような人材がいないと、国民民主は埋没する」
山尾氏の公認内定は一度は党内で了承されており、そこからの方針転換は政党の意思決定プロセスに対する不信を招いている。これにより、国民民主党のガバナンスそのものに疑問符がつけられる事態となった。
「政策を語る政党」か「空気を読む組織」か 問われる国民民主の本質
国民民主党はこれまで「現実路線の改革中道政党」として、減税・エネルギー政策・外交安全保障などのテーマで独自色を打ち出してきた。山尾氏はまさにその政策路線の象徴的存在の一人であり、彼女の離党は党の「政策重視」という看板に疑問を投げかける出来事ともなった。
また、山尾氏が触れた「民主政治のあり方」という言葉は、単に個人の処遇をめぐる問題にとどまらず、「説明責任」「手続きの透明性」「内部の議論の自由」といった、政党としての統治の本質を突いた批判でもある。
今回の離党劇は、国民民主党が本当に“現実的な改革政党”として信頼に足るのか、それとも単なる「選挙互助会」の域を出ないのかを、国民に問いかける象徴的な一件となった。