2025-09-11 コメント投稿する ▼
特区民泊の責任は国か大阪市か 佐々木りえ議員発言に住民から反発
日本維新の会(維新)の佐々木りえ参議院議員は、自身のSNSで「民泊のルールは国の法律に基づいている」と投稿し、大阪市での特区民泊について「 に基づく仕組み」と位置付けた。 国の枠組みを盾にするか、自治体の責任を問うかという構図が浮き彫りになっている。 特区民泊は国家戦略特区法の枠組みで導入されるが、実際の運用や監督は自治体に委ねられている。
国家戦略特区法と大阪の民泊問題
日本維新の会(維新)の佐々木りえ参議院議員は、自身のSNSで「民泊のルールは国の法律に基づいている」と投稿し、大阪市での特区民泊について「
国家戦略特区法
に基づく仕組み」と位置付けた。その上で「地域の実情に応じた改善には国との調整が必要」と強調し、国の関与を前提とする姿勢を示した。この発言は、大阪府や大阪市に責任があると批判した山本けい交野市長の指摘と対照的である。山本市長は「導入の最終判断は自治体にあり、住環境悪化を招いたのは大阪府と大阪市の責任」と述べていた。国の枠組みを盾にするか、自治体の責任を問うかという構図が浮き彫りになっている。
「国の制度だからと責任転嫁するのは納得できない」
「結局、住民に影響が出ているのに大阪市は責任を回避しているように見える」
「国と自治体が責任を押し付け合う構図は市民にとって不利益しかない」
「違反民泊や環境悪化の監督不行き届きは現場の責任だ」
「法律のせいにする前に大阪市は実効性ある対策を講じるべきだ」
SNS上でもこうした批判が目立ち、住民感情の反発が強いことがうかがえる。
自治体の裁量と国の関与
特区民泊は国家戦略特区法の枠組みで導入されるが、実際の運用や監督は自治体に委ねられている。大阪府下の34市町村のうち、交野市を除く33市町村が導入したのは事実だが、それは「国が義務付けたもの」ではなく、自治体判断の結果である。
大阪市は観光需要の拡大を理由に積極的に特区民泊を進めたが、その一方で騒音や治安悪化、外国人投資家による住宅買い漁りといった副作用が顕在化した。住民生活への影響が強まる中で「国がルールを作ったのだから国の責任だ」という説明は、住民の理解を得にくい。
違反民泊対策の課題
佐々木議員は今後について「違反事業者への処分基準の明確化」「監査の強化」「営業条件の見直し」を課題に挙げている。だが、これらはすでに現場で問題視されてきた論点であり、国の対応を待つだけでは解決が遅れる。
違反民泊は住民トラブルの火種となり、ゴミ問題や騒音苦情、地域コミュニティの崩壊といった現象を引き起こしている。国が制度を整えるにしても、最前線で実効性ある監視・処分を行うのは自治体である。大阪市が積極的に導入した以上、その責任を回避することはできない。
住環境保全と政策責任
特区民泊は観光振興と住環境保全のバランスが問われる政策である。国が法的枠組みを提供する一方で、導入判断と運用の責任は自治体にある。交野市が唯一導入を拒否したのは、そのリスクを見極めた判断に基づいている。
山本市長が「国のせいにするのは恥を知れ」と批判したのは、まさに責任の所在を曖昧にしたまま国に押し付ける姿勢への異議である。佐々木議員の主張は国への働きかけを強調する一方、自治体としての主体的責任をどこまで果たすのかという問いを残した。
大阪特区民泊と国・自治体の責任分担
大阪市や大阪府が推進した特区民泊は、地域の住環境に深刻な影響を与えた。国の法律に基づく制度であっても、導入・監督の主体は自治体である。住民の生活に直結する政策において、国と自治体が責任を押し付け合うのではなく、双方が具体的な改善策を示すことが不可欠だ。
特区民泊をめぐる論争は、制度の不備だけでなく、責任の所在をめぐる政治姿勢そのものを浮き彫りにしている。