2025-04-04 コメント投稿する ▼
基地負担さらに拡大? 共産・赤嶺氏が訪問軍協定法案に警鐘
国会審議なしで軍事協力? 共産・赤嶺議員が批判
委員会では、日本共産党の赤嶺政賢議員が法案に強く反対した。赤嶺氏は、「これは国会の審議権と立法権を形骸化させるもので、到底認められない」と主張。さらに「この法案は、アメリカの軍事戦略に自衛隊を組み込もうとするものであり、憲法9条に正面から反している」と述べた。
加えて、自衛隊とアメリカ、オーストラリアなどとの合同訓練が日本国内でも拡大すれば、基地周辺の住民への負担がさらに大きくなると懸念。「これまで米軍と自衛隊による事件・事故で苦しめられてきた国民に、また新たな負担を押しつけるのか」と政府の姿勢を厳しく追及した。
南シナ海での演習、「ミサイル防衛」への懸念
赤嶺氏はさらに、昨年南シナ海で行われたフィリピン軍と米軍の合同軍事演習にも言及。この演習には、自衛隊やオーストラリア軍も参加し、「敵基地攻撃」や「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」について各国が意見交換を行ったとする報道を紹介した。
また、米軍のIAMDセンター所長であるサベージ大佐が「日米豪の演習では指揮統制の共有が行われた」と論文で明記していることも取り上げ、「日本が米軍の指揮下で、同志国を巻き込んだ統合システムに組み込まれようとしているのではないか」と疑問を投げかけた。
この点について中谷元・防衛副大臣は「日米は別々の枠組みであり、統合ではない」との従来の答弁を繰り返した。
安全保障政策の転換点
今回の法案可決は、今後の安全保障政策における一つの転換点ともいえる。従来は、協定ごとに個別に審議されていたものが、今後は包括的な枠組みの中で処理されるようになることで、訓練や活動のスピード感が増す一方で、国会の関与が薄れ、議論が十分に尽くされない恐れもある。
今後は法案の参院審議が焦点となるが、与党は早期の成立を目指している。国内外で進む安全保障連携の中で、日本がどこまで踏み込むのか――国民的な議論も求められる局面に入っている。