2025-04-03 コメント投稿する ▼
赤嶺議員、能動的サイバー防御法案が米国戦略に沿い戦争の危険を招くと批判
■ 米国の戦略との整合性
赤嶺氏は、米国防総省が2011年に公表した戦略文書で「能動的サイバー防御」の概念を打ち出し、2013年には「日米サイバー対話」が開始され、2015年の「日米軍事協力の指針(ガイドライン)」でサイバー空間での協力が盛り込まれたことを指摘。さらに、2024年7月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)で「サイバー作戦における緊密な協力の促進」が確認されたと述べた。これらの動きから、同法案が日本が米国の戦略に基づき、能動的サイバー防御に踏み込むものであると追及した。
■ グレーゾーン事態での措置の問題
赤嶺氏は、平時でも有事でもない「グレーゾーン事態」や安保法制に基づく「重要影響事態」の際に、米国が軍事行動を行う相手国に対して、「アクセス・無害化措置」や「通信防護措置」が可能であるかを質問。平将明デジタル相が可能であると答えたことに対し、「日本が武力攻撃を受けていないにもかかわらず措置に踏み切れば、相手国から日本が参戦してきたとみなされる」と批判した。
■ 戦争の危険性と国際法上の適法性
赤嶺氏は、平氏が「国際法上許容される範囲で行う」と述べたことに対し、「国際法上の適法性が確定していない措置であり、一方的に強制措置に踏み切れば、事態のエスカレーションを招く」と指摘。そして、「日本に戦争の危険を呼び込む能動的サイバー防御はやめるべきだ」と強く求めた。
■ 他党の批判と懸念
日本共産党の塩川鉄也議員も、3月18日の衆院本会議で、同法案が憲法が保障する「通信の秘密」やプライバシー権を侵害し、国際法違反の先制攻撃に当たり得るサイバー攻撃に踏み込むものであり、「憲法と国際法を踏みにじる重大な法案だ」と批判している。
■ 法案審議の現状と今後の課題
同法案は、政府が通信情報を常時監視し、必要に応じて警察や自衛隊がサーバーに侵入・監視し、その機器を使用不能にする「能動的サイバー防御」を可能とする内容である。しかし、憲法21条が定める「通信の秘密」やプライバシー権の侵害、国際法上の適法性、そして戦争の危険性を招く可能性が指摘されており、今後の審議でこれらの懸念を払拭するための十分な議論が求められる。
- 法案の内容:
政府が通信情報を常時監視し、必要に応じて警察や自衛隊がサーバーに侵入・監視し、その機器を使用不能にする「能動的サイバー防御」を可能とする法案。
- 赤嶺議員の主張:
同法案は米国の戦略に沿ったものであり、戦争の危険性を高める可能性があると批判。
- 他党の懸念:
日本共産党の塩川議員も、法案が憲法や国際法を侵害する可能性があると指摘。
- 今後の課題:
法案審議において、通信の秘密やプライバシー権、国際法上の適法性、戦争の危険性などの懸念を払拭するための十分な議論が必要。