2025-09-02 コメント: 1件 ▼
沖縄振興予算3000億円台確保へ 「償いの心」を原点に与党県議団が要請
沖縄県議会与党の県議団は2日、超党派でつくる「うりずんの会」と共に国会内で各党に要請書を提出し、来年度の沖縄振興予算について県が求める3000億円台の確保を強く訴えた。 要請団は「予算の削減は県民生活に直結する。 沖縄の将来にとって、基地問題と振興予算を切り離し、県民生活に直結する政策を推進できるかどうかは大きな試金石となる。
沖縄振興予算めぐり与党県議団が要請 「償いの心」忘れるな
沖縄県議会与党の県議団は2日、超党派でつくる「うりずんの会」と共に国会内で各党に要請書を提出し、来年度の沖縄振興予算について県が求める3000億円台の確保を強く訴えた。要請団は、沖縄に裁量権がある一括交付金の拡充を求め、戦争被害や米軍基地集中といった「特殊事情」を踏まえ、国が責任を持って振興策に取り組むべきだと主張した。
要請団との面談には、日本共産党の山添拓政策委員長と赤嶺政賢衆院議員が同席。山添氏は「沖縄戦や占領の歴史に向き合い、『償いの心』を原点とした振興策が必要だ」と指摘した。玉城デニー知事が辺野古新基地建設に反対姿勢を貫く中で予算削減が続く現状を「沖縄いじめだ」との声に対し、山添氏は「新基地問題と予算をリンクさせてはいけない」と応じた。
「県民の苦しみを無視した予算削減は許されない」
「基地問題と予算を結びつけるのは筋違い」
「償いの心が原点のはずだ」
「3000億円台を確保しなければ振興は成り立たない」
「政府は沖縄の声を真剣に受け止めるべきだ」
概算要求と県要望の乖離
来年度概算要求における沖縄振興予算は2829億円。これは県の要望3156億円を大きく下回る数字である。内訳を見ると、一括交付金のソフト交付金は要望506億円に対し359億円、ハード交付金は要望694億円に対し420億円にとどまる。こうした乖離は「政府の沖縄軽視」と受け止められ、県民の反発を招いている。
要請団は「予算の削減は県民生活に直結する。教育や福祉、地域振興の取り組みに影響を及ぼす」と訴え、交付金の増額を重ねて求めた。
「沖縄いじめ」批判と国の責任
沖縄振興予算は本来、沖縄戦の被害や戦後の米軍統治下で県民が受けた苦しみに対する「償い」の意味を持つとされる。しかし現実には、辺野古移設をめぐる県と政府の対立が背景にあり、「政治的駆け引きによる予算圧縮ではないか」との批判が根強い。
要請団は「国の責務として沖縄振興を推進すべきだ」と強調し、歴史的経緯を無視した対応は地域の信頼を損なうと訴えた。
与党県議団と国会内の協力模索
与党県議団からは、日本共産党の渡久地修氏、てぃーだ平和ネットの山内末子氏、おきなわ新風の喜友名智子氏、社会大衆党の当山勝利氏が参加。自民党・公明党が国会で少数となった現状を背景に、「予算を動かす余地はある。いろいろな形で力を合わせていく」と決意を示した。
沖縄の将来にとって、基地問題と振興予算を切り離し、県民生活に直結する政策を推進できるかどうかは大きな試金石となる。
沖縄振興予算3000億円台確保へ 県議団と国会議員が政府に迫る
沖縄振興予算をめぐる攻防は、基地問題と切り離して「償いの心」に立ち返れるかどうかが焦点だ。県議団や「うりずんの会」による一連の要請行動は、沖縄の声を国政に届け、3000億円台の予算確保を実現するための重要な一歩となる。