2025-11-28 コメント投稿する ▼
鈴木直道知事が泊原発3号機再稼働を容認表明 地元4町村同意でラピダス電力需要に対応
鈴木直道知事は2025年11月28日午後、北海道議会定例会の一般質問で「原発の活用は当面取り得る現実的な選択と考えている」と述べ、北海道電力泊原子力発電所3号機の再稼働を容認する考えを正式に表明しました。 これにより、再稼働に実質的に必要とされる道知事と立地・周辺4町村の首長の同意のうち、地元4町村の同意がすべて出そろった形となります。
泊原発再稼働を鈴木直道知事が容認表明
地元4町村の同意出そろい、ラピダス進出で電力需要急増に対応
鈴木直道知事は2025年11月28日午後、北海道議会定例会の一般質問で「原発の活用は当面取り得る現実的な選択と考えている」と述べ、北海道電力泊原子力発電所3号機の再稼働を容認する考えを正式に表明しました。
知事は道議会での議論を踏まえ、総合的に判断するとしており、今後、泊原発の視察や地元町村長との意見交換を行った上で、12月12日に閉会する道議会中に最終的な同意判断を行う見通しです。
地元4町村すべてが同意完了
知事の容認表明に先立ち、原発周辺の4町村すべてが再稼働への同意を相次いで表明しています。泊村の高橋鉄徳村長が11月17日に同意を表明したのを皮切りに、神恵内村の高橋昌幸村長と共和町の成田慎一町長が11月26日に同意の意向を示し、28日には岩内町も同意を表明しました。
これにより、再稼働に実質的に必要とされる道知事と立地・周辺4町村の首長の同意のうち、地元4町村の同意がすべて出そろった形となります。
「ついに地元すべてが原発再稼働に賛成するんですね」
「電気代が高すぎるから仕方ないかも」
「でも安全性は本当に大丈夫なのでしょうか」
「ラピダスのために原発動かすなんて本末転倒だと思う」
「経済のためには必要な判断だと思います」
ラピダス進出で電力需要が急拡大
再稼働容認の背景には、半導体大手ラピダスの北海道進出によるエネルギー需要の急増があります。エネルギー経済社会研究所の試算では、2030年代半ばの電力需要は693万キロワットに達し、供給力の694万キロワットとほぼ拮抗する状況が予想されています。
ラピダスは千歳市で2027年中に2ナノメートル級の最先端半導体の量産開始を予定しており、北海道ではソフトバンクもデータセンターを計画するなど、大規模な電力消費施設の進出が相次いでいます。
さらに、北海道の電力料金は全国的に高水準にあり、産業用特別高圧の2023年度料金は1キロワット時当たり23.6円で地域別3番目の高さとなっています。これは原発が稼働している九州の16.3円の約1.5倍にあたり、製造業の競争力に大きな影響を与えています。
2027年早期の再稼働を目指す
泊原発3号機は2025年7月に原子力規制委員会の安全審査で正式合格を果たしており、北海道電力は2027年早期の再稼働を目標に掲げ、防潮堤建設などの安全対策投資を進めています。
同原発は東京電力福島第1原発事故を受けて2012年5月から停止しており、再稼働が実現すれば13年ぶりの運転再開となります。泊原発3号機単体で北海道地域の電力需要の5分の1から3分の1をまかなえるとされ、電力供給の安定化と料金引き下げの両面で大きな効果が期待されています。
しかし一方で、北海道新聞は社説で「検証も議論も不十分なまま容認を表明するのは、あまりに拙速であり今後に禍根を残す」と批判するなど、安全性への懸念や議論不足を指摘する声も根強く残っています。