2025-09-08 コメント投稿する ▼
北海道で再びIR誘致に関心 苫小牧と函館が名乗り、鈴木直道知事は「観光消費拡大に期待」
北海道は8日、道内179市町村を対象に実施した統合型リゾート(IR)誘致に関する意向調査の結果を公表し、苫小牧市と函館市が関心を示したことを明らかにした。 苫小牧市は2019年に一度、IR誘致を断念した経緯があるが、今回の調査でも再び苫小牧市植苗地区を念頭に置いているという。 函館市も観光資源との相乗効果を期待しており、地域経済振興の一策として関心を寄せている。
苫小牧市と函館市、再びIR誘致に関心
北海道は8日、道内179市町村を対象に実施した統合型リゾート(IR)誘致に関する意向調査の結果を公表し、苫小牧市と函館市が関心を示したことを明らかにした。苫小牧市は2019年に一度、IR誘致を断念した経緯があるが、今回の調査でも再び苫小牧市植苗地区を念頭に置いているという。函館市も観光資源との相乗効果を期待しており、地域経済振興の一策として関心を寄せている。
政府はIR整備区域を最大3か所と定めているが、現時点で認定されているのは大阪府・市のみで、残る枠には余裕がある。北海道の鈴木直道知事は5日の記者会見で「民間投資や観光消費拡大など、北海道の発展に寄与する可能性がある」と述べ、前向きな姿勢を示した。
「北海道にカジノ?観光拡大につながるなら歓迎」
「地域経済の起爆剤になるかもしれない」
「ギャンブル依存症対策を徹底しないと不安」
「苫小牧は交通アクセスも良く候補地にふさわしい」
「函館の観光と組み合わせれば海外客も呼べる」
苫小牧と函館、それぞれの狙い
苫小牧市は新千歳空港に近く、道内外からのアクセスに優れる点が強みだ。物流拠点としての役割も大きく、観光だけでなくビジネス需要を取り込む可能性がある。一方、函館市は観光都市としての歴史と実績があり、温泉、夜景、歴史的建造物といった観光資源とIRを組み合わせることで長期滞在型観光を促進できるとの期待がある。
北海道は観光産業を基幹と位置付けており、インバウンド需要の拡大がコロナ禍後の課題とされている。IRは宿泊、ショッピング、カジノなどを一体化させた総合施設であり、海外観光客の呼び込みや雇用創出効果が見込まれる。
2019年の見送りと今回の変化
北海道は2019年、IR誘致に積極的だったが、地元住民の反発やギャンブル依存症への懸念から一転して見送りを表明した。その後、コロナ禍による観光需要の低迷を経験し、地域経済の立て直しが課題となった。今回の調査で再び関心が示されたのは、観光立国政策や民間投資誘致の必要性が一層高まっているためだとみられる。
ただし、再挑戦には依存症対策や治安への懸念解消が不可欠である。2019年時の教訓を踏まえ、地域住民の理解をどこまで得られるかが焦点となる。
北海道経済の将来像とIRの位置付け
鈴木知事が述べたように、IRは単なる娯楽施設ではなく、北海道経済にとって重要な成長戦略の一部となり得る。農林水産業や一次産業と連携した地産地消型のリゾート開発、世界的な観光ブランド力強化など、多角的な経済効果が期待される。
一方で、依存症対策、青少年保護、地域社会との共生といった課題が解決されなければ、再び住民の反発を招きかねない。今後、苫小牧市や函館市がどのように住民と対話を進めるかが、実現へのカギを握る。