2025-09-05 コメント投稿する ▼
北海道の鈴木知事「許容できない」 釧路湿原メガソーラー無許可伐採で是正措置徹底へ
北海道の鈴木知事「許容できない」 釧路湿原周辺メガソーラー事業者に是正措置
北海道の鈴木直道知事は5日、釧路湿原国立公園(釧路市など)周辺で進められている大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設工事をめぐり、森林開発に必要な許可を得ずに開発行為を行っていた事業者の行為について「北海道の貴重な財産である森林が失われたことは大変遺憾。許容できない」と強い言葉で批判した。知事は事業者の意向を確認したうえで、森林の公益的機能を阻害することがないよう必要な是正措置を徹底する考えを示した。
鈴木知事はまた、道内の各市町村に提出された過去3年分、約1200件に上る「伐採及び伐採後の造林の届出書」について確認作業を進めていることを明らかにした。「違法行為がわかった場合には速やかに是正措置を講じる」と強調し、これまで実態が「誰も把握していない」と指摘。一元管理するシステムの整備を国に求めていく方針を示した。
「釧路湿原を守らずして環境保護を語る資格はない」
「メガソーラー事業者の杜撰な姿勢は目に余る」
「再エネ推進を隠れ蓑にした乱開発は許されない」
「北海道の自然資源を犠牲にしてまで利益を追うな」
「国がもっと厳格に管理できる仕組みを作るべき」
森林法違反と事業者への指導
問題となっているのは、大阪市中央区の「日本エコロジー」が令和6年に釧路市へ届け出た森林伐採面積と、実際の伐採面積の乖離である。同社は「0.3ヘクタール」と届け出ていたが、北海道と釧路市の調査では「0.86ヘクタール」と判明。森林法では0.5ヘクタールを超える場合に都道府県の許可が必要であり、違反行為にあたるとして道は工事中止を勧告している。
鈴木知事は「法令を無視した開発は到底容認できない」とし、今後も厳格な調査と指導を続ける姿勢を鮮明にした。
再生可能エネルギー推進と自然保護の両立課題
政府は脱炭素社会に向けて再生可能エネルギーの導入拡大を掲げているが、地域によっては今回のように自然環境の破壊を伴う事例が相次いでいる。特に釧路湿原は国内最大の湿原であり、国際的にも貴重な自然環境として知られる。そこに無許可でメガソーラーを建設することは、環境保護とエネルギー政策の整合性を問う問題となっている。
再生可能エネルギーを推進すること自体は重要だが、その過程で森林伐採や生態系破壊を引き起こすのであれば本末転倒である。今後、国や自治体には「エネルギー供給」と「自然保護」を両立させるための制度設計と監視体制強化が求められる。
北海道メガソーラー問題 無許可伐採と是正措置で問われる再エネ政策の信頼性
釧路湿原周辺での違法伐採は、再生可能エネルギー推進の信頼性そのものを揺るがしかねない。国民の期待は脱炭素化だけでなく、持続可能な環境保護にある。メガソーラー事業者が法令を無視して利益を優先する姿勢が続けば、再エネ政策全体への信頼が失われる危険性は高い。北海道が徹底した是正措置を講じることは、今後のエネルギー政策と環境保護の両立にとって不可欠である。