2025-06-05 コメント投稿する ▼
塩田ひろあき氏が年金改革を追及 遺族厚生年金の男女格差是正を国会で提言
塩田ひろあき氏が年金制度の“男女差”是正を追及 遺族厚生年金の見直しに具体的提言
6月5日に開かれた参議院厚生労働委員会で、公明党の塩田ひろあき議員が登壇し、政府が提出した年金制度改革法案に盛り込まれた遺族厚生年金制度の見直しについて、制度の背景と対象者、そして影響を丁寧に問いただした。
塩田氏は冒頭、「18歳未満の子どもがいない20〜50代の女性を対象とした支給制限が導入されることに不安の声が寄せられている」と指摘。国会の場からも「男女平等」という原則を踏まえた制度設計の必要性を訴えた。
これに対し福岡資麿厚労大臣は、「遺族年金制度はかつて、夫に先立たれた妻が自力で生活するのが困難だった時代背景のもとで設計された」と述べ、現代の社会情勢に合わせて「男女を問わず公平に受給できる制度に見直すべき」との考えを示した。
政府側の説明によれば、改正の影響を受ける可能性があるのは、2028年度末時点で40歳未満の女性で、年間約250人程度と推計されている。一方、新たに受給対象に加わることになる60歳未満の夫は年間約1万6000人にのぼると見込まれている。
塩田氏は、こうした変更にともなう影響を受ける層への十分な配慮を怠るべきではないと訴えた。これを受け、政府は以下のような“補完策”を講じる方針を明らかにした:
* 有期給付の年金額を現在の約1.3倍に引き上げる
* 低所得者や障がいのある方には最長65歳まで給付を継続
* 配偶者の厚生年金記録を分割することで、将来の老齢厚生年金を増やす新制度を導入
塩田氏は「社会の現実に即し、真に必要とされる制度へと進化させるには、こうした手当が不可欠だ」と述べ、特に現場の当事者の声を汲み取った政策形成の重要性を重ねて強調した。
今回の質疑は、年金制度が抱える“古い構造”と“新しい価値観”の間にあるギャップを埋める試みとして、現場の不安に丁寧に応える塩田議員の姿勢が際立つものだった。男女問わず「もしもの時」に備える年金制度が、今後どのように再設計されていくのか。その鍵を握るのは、こうした真摯な議論に他ならない。