2025-07-22 コメント投稿する ▼
「市民の声が政策の原点」高橋徳美氏、対話重視で挑む横浜市長選
元自民市議が無所属で市長選に挑戦
8月3日投開票の横浜市長選に立候補した高橋徳美氏(56)は、金沢区選出の元自民党市議で、14年間にわたり議席を守ってきた実力派。今回は自民党の公認を得られず、離党して無所属での出馬に踏み切った。「市政がどこか他人事のように進んでいる」と感じていたという高橋氏は、「市民が置き去りにされている今の市政を変えたい」と訴えている。
「任せられないと思った」――現職のビジョン不在を厳しく批判しながらも、反対だけの政治ではなく、具体的な未来像と市民の声に基づく政策転換を掲げる姿勢が印象的だ。
鹿児島県・徳之島の出身で、東京の建築専門学校を卒業後、大手ゼネコンで現場を経験。その後、結婚を機に横浜へ移住し、地域活動や子育て支援サークルに熱心に取り組んできた。3人の息子を育てる母としての目線も、高橋氏の政治姿勢に強く影響している。
「対話と協力」地域密着の政治スタイル
「政治家である前に、市民活動家」。高橋氏はそう語る。政治の原点を“地域との対話”に置き、現場の声を直接聞きに行くスタイルを貫いてきた。柔道場で出会った神取忍参議院議員の秘書として政治を学び、23年の市議選で初当選。議会内外で幅広い人脈を築いてきた。
議員としての実績も多い。難病の子どもたちのための地域型ホスピス設立、災害時の情報発信を担うコミュニティFMの開設、そして横浜eスポーツ協会の立ち上げなど、いずれも市民の要望から生まれた政策だった。「どれも私ひとりではできなかった。市民と市職員が協力して初めて形になった」と振り返る。
このスタンスに、市民からも共感の声が寄せられている。
「実績が“話を聞いたうえで動いた”ものばかりなのが信頼できる」
「ホスピスやeスポーツ、どれも横浜らしい新しい試み」
「地域の声を本当に拾ってきた人だと思う」
「子育て支援の経験があるのは親としても頼もしい」
「市民と市役所が一緒に街をつくるって、理想だよね」
「50年後の横浜」を見すえるインフラ構想
短期的な人気取り政策ではなく、次の世代に向けた“50年後のまちづくり”を重視するのも高橋氏の特徴だ。具体的には、みなとみらい線や市営地下鉄の延伸といった長期的インフラ整備の必要性を説く。「今、手を打たなければ、将来の横浜は衰退の道を歩む」と警鐘を鳴らす。
「道路一本、線路一本が、地域の未来を変える」と語る高橋氏。インフラ整備を福祉や教育と並列に重視し、「持続可能な都市経営」に力を入れる考えを明確にしている。
また、教育分野でも「子どもたちの“非認知能力”を育てる機会の提供」や、「地域ごとの教育資源の格差是正」に取り組む意向を示しており、単なる箱モノ重視に終わらない視点も備えている。
趣味も多彩 人間味あふれる横顔
柔道、落語、日本舞踊、詩吟、そして最近始めたというフラメンコ――。高橋氏の人柄は、政治だけで語り尽くせない幅の広さを持っている。「柔道で礼を学び、落語で笑いを知り、フラメンコで魂を揺さぶられている」と笑う。
こうした多様な経験が、市民との距離を縮め、政治的立場に偏らない柔軟な感性を育んでいるようだ。「全ての市民に、自分ごとのように寄り添える市長になりたい」と語る高橋氏。肩肘張らない言葉の奥には、誰よりも“地域に根差す”強さがにじんでいる。
高橋徳美氏は、元市議としての経験と、市民活動家としての実績を武器に「市民とともに歩む市政」を掲げて横浜市長選に挑んでいる。市民との対話と協力によって形づくられた政策は、現場から生まれた“等身大の改革案”だ。市政をもっと身近に、そして長期的視野で導こうとする姿勢に、有権者の関心が集まりつつある。