2025-05-27 コメント投稿する ▼
富士山ヘリ救助の有料化に小沢氏が言及 国は慎重姿勢
小沢氏、有料救助の議論を牽引 富士山遭難問題に国会で言及
閉山期間中の富士山で相次ぐ遭難を受け、山梨県と静岡県が消防防災ヘリによる救助の有料化を検討していることについて、政府が慎重な姿勢を見せている。5月27日に開かれた参議院総務委員会で、立憲民主党の小沢雅仁議員はこの問題を取り上げ、すでに埼玉県で導入されている手数料制度を例に挙げながら、国としても本格的な議論が必要だと指摘した。
「命の値段」ではなく「無謀登山の抑止」
小沢議員は委員会で、「登山の自由は尊重されるべきだが、悪天候の中での無計画な入山が救助を要するケースを招いており、結果的に多額の税金が費やされている」と強調。埼玉県では2018年から一部地域で、防災ヘリによる山岳救助に手数料を課す制度を導入していることを紹介し、「一定の抑止効果が期待できる」と主張した。
一方で政府側は、全国一律の制度導入には課題が多いとする見解を示した。警察庁の担当官は、「警察の救助は法的責務に基づくものであり、費用を求めるのは困難」と述べ、海や川での水難救助との違いや公平性の問題を挙げた。総務省もまた、「費用徴収が命の要請を躊躇させる恐れもあり、慎重な対応が必要」と説明した。
救助の有料化、議論の焦点は「公平性」
小沢議員が指摘した埼玉県の制度では、救助にかかった費用の一部(1時間あたり約5万円程度)を遭難者に請求する形を取っている。これは山岳保険の加入促進や、登山計画の提出義務化と組み合わせて運用されており、一定の抑止力として機能しているとの声もある。
しかし、制度を全国に広げるには「どこからが“無謀”な登山か」「救助要請が正当だったかどうかを誰が判断するのか」といった線引きの問題が立ちはだかる。また、登山者の心理として「費用負担を恐れて救助をためらう」ことも懸念されるため、単なる有料化だけでなく、事前の啓発やリスク教育も不可欠とされている。
ネットでの反応は賛否両論
SNSでも今回の議論には多くの声が寄せられている。
「自己責任で登るなら、救助費も自己負担にすべき」
「登山は趣味。その尻拭いを税金でするのはおかしい」
「命を助けるのに金がかかるなんて、二の足を踏む人が増えそう」
「モラルのない登山者を減らすためにも、制度は必要だ」
「小沢議員の冷静な指摘には一理ある。国会でしっかり議論してほしい」
今後の対応、都道府県の判断がカギ
政府は「国として一律の基準を設けるのは難しい」として、最終的には各都道府県が独自に判断すべきとの立場を取っている。小沢議員の問題提起によって、今後は他の自治体にも議論が波及する可能性がある。
富士山のような人気登山地では、登山者の安全と自治体の財政負担をどう両立させるかが問われている。今後、実効性ある制度設計と国民的議論が求められそうだ。