2025-07-16 コメント投稿する ▼
外国勢力の選挙介入に警戒強まる 政府「日本も標的」認識で対応強化へ
SNS経由の選挙介入に政府が危機感
7月16日、青木一彦官房副長官は記者会見で、SNSを通じた外国勢力による選挙介入の可能性について「我が国も影響工作の対象になっている」と明言し、国家安全保障戦略の一環として対応を強化していると説明した。
青木氏は「偽情報の収集・分析、偽情報への対外発信を一体的に進めている」と述べ、特に選挙時期における情報操作への警戒感を示した。
また、選挙干渉に対する基本的対応として、「動向を早期に把握し、必要に応じて周知・注意喚起を行う」方針を示し、政府全体として関係機関が連携しているとした。
この発言は、三原じゅん子こども家庭庁大臣が「こども家庭庁解体論」を投稿していた複数のアカウントが一斉凍結された件に触れ、「外国勢力の関与も指摘されている」とした流れとも連動しており、SNS上では「国家主導の情報統制なのか、それとも実際に工作が行われているのか」とさまざまな憶測が飛び交っている。
「本当に介入されてるなら対処してほしい。だが証拠も出してほしい」
「偽情報がダメなのは当然。でも判断するのは国民だ」
「外国勢力のせいにすれば何でも説明できるのか?」
「具体的にどこの国から?ぼやかしすぎでは?」
「注意喚起よりも、ちゃんとした調査報告が欲しい」
「我が国も対象」明言の意味と重さ
青木氏の「我が国も対象となっている」との発言は、従来の「一般論」から一歩踏み込んだ政府見解と受け止められる。これまで選挙干渉といえば、米国や欧州諸国を中心に問題視されてきたが、日本もいよいよ標的となる段階に来ているという認識だ。
特にSNSの普及によって、匿名アカウントや自動投稿Botによる「情報攪乱」「世論誘導」が可能となっており、特定の政治家や政策に対する過剰な攻撃・擁護投稿が組織的に展開される事例が増えている。
一見して「日本人の声」に見える投稿が、実は海外からの操作によるものである危険性を、政府は警告している格好だ。
平将明デジタル相も「実際に報告ある」
15日の会見では、平将明デジタル相も「他国から介入される事例も見て取れ、参院選でも一部そういう報告がある」と発言。具体的な内容は明かされなかったものの、実際に確認されたケースが存在するという。
日本ではこれまで、選挙へのサイバー攻撃や情報操作が公然と問題視されることは少なかった。しかし、ネット空間での政治論争が激化する中、特定の話題で同時多発的に“炎上”が起こる現象は、政府内でも「異常な拡散速度」として監視の対象になっている。
今後、選挙制度の信頼性を確保するためには、透明性ある監視体制と、政府による恣意的な「情報管理」との線引きをどうするかが大きな課題となる。
言論の自由とのせめぎ合い、国民の警戒も必要
SNSでの選挙介入を防ぐためには、「何が偽情報か」を判断する主体が誰になるかが大きな問題となる。国家が介入すれば言論統制と受け取られ、市民に委ねれば偽情報の拡散は防ぎきれない。そのジレンマは、日本だけでなく世界各国が抱える共通の課題でもある。
重要なのは、「外国勢力の関与があるから」として、すべての批判的言論や異論を封じ込める口実にしないこと。むしろ、正当な批判・異論が“外部からの工作”と誤って処理されることこそ、民主主義にとっての最大の脅威となる。
国民一人ひとりが情報の真偽を見極める目を養い、政府にも説明責任と情報開示を求める姿勢が必要だ。