2025-10-01 コメント投稿する ▼
安藤裕・梅村みずほが主導 参政党「日本人ファースト」4PT始動
発表内容は、スパイ防止法の制定、新型コロナウイルス感染症対策とメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの検証、外国人問題対策、国民負担率35%の実現という四つのプロジェクトチーム(PT)です。 スパイ防止法PTの座長には安達悠司=参政党参議院議員=氏が就きます。 新型コロナ対策・mRNAワクチン検証PTは松田学=参政党参議院議員・参議院懲罰委員長=氏が率います。
参政党が「日本人ファースト」始動
参政党の安藤裕=参政党幹事長兼政務調査会長・参議院議員=氏は2025年10月1日、国会内の記者会見で「日本人ファーストプロジェクト」を立ち上げると発表しました。安藤氏は「日本人のための政治を取り戻す」と述べ、平和で豊かな社会を次世代に残すために、党として優先課題を絞り込む方針を示しました。名称に対して賛否があることを認めつつ、党の基本理念として掲げたうえで政策化を急ぐ考えです。
発表内容は、スパイ防止法の制定、新型コロナウイルス感染症対策とメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの検証、外国人問題対策、国民負担率35%の実現という四つのプロジェクトチーム(PT)です。各PTは関連省庁や有識者へのヒアリングを進め、臨時国会の会期中に論点整理や法案提出の準備を進めると説明しました。
四つのプロジェクトの狙い
スパイ防止法PTの座長には安達悠司=参政党参議院議員=氏が就きます。安達氏は、重要情報の防護と諜報活動対策の不備を課題に挙げ、包括的な違法化と罰則体系の整備を目標に据えました。これまで日本には網羅的な対スパイ立法がなく、国家安全保障の空白を埋める必要があるという問題意識を示しています。
新型コロナ対策・mRNAワクチン検証PTは松田学=参政党参議院議員・参議院懲罰委員長=氏が率います。松田氏は、政府対応への検証を進める姿勢を示し、科学的根拠に基づく見直しを掲げました。陰謀論と混同されないよう、臨床データや公的統計の評価手順を明確にすること、意思決定のプロセスを可視化することを課題に据えています。
外国人問題PTの座長は梅村みずほ=参政党参議院議員・参議院国会対策委員長=氏です。梅村氏は夏の選挙戦で「日本人ファースト」を前面に掲げた経緯を踏まえ、「差別ではなく区別」という立場を明確にしました。論点として、外国資本による土地取得の管理、オーバーツーリズムの抑制、不法滞在者の迅速な送還、査証(ビザ)緩和措置の是非などを列挙し、緊急度の高いものから制度案として提示すると述べました。
「観光の恩恵は必要だが、住民生活が守られないのは困る」
「安全保障の観点からも土地や港湾の管理を厳格にしてほしい」
「区別という言い方の中身を、データで説明してほしい」
「技能実習や留学生制度の歪みを具体策で直してほしい」
「言葉だけでなく、いつまでに何をするのか工程表を示してほしい」
国民負担率35%という目標の含意
国民負担率35%PTの座長は安藤裕氏です。安藤氏は、消費税の段階的廃止と社会保険料の負担軽減によって家計の手取りを増やし、個人消費の持ち直しを狙うと述べました。現在の国民負担率は5割近いとの認識を示し、税と社会保険料で過度に吸い上げる構造を改めるべきだと訴えています。国の歳出改革については、医療・介護の予防投資などで中長期的に増大を抑える方針を示しました。
同目標は、景気回復と財政健全化を両立できるかが焦点です。税収の落ち込みを成長で補う設計が前提となるため、歳入・歳出の見通し、移行期間の財源、法改正の順序、地方財政への影響をどう整えるかが実務上の課題です。制度の設計次第では家計可処分所得の押し上げ効果が期待できますが、医療・年金の持続性を確保する手当てを同時に示す必要があります。
臨時国会での実現性と今後の論点
四つのPTは、党内の政策形成を加速させるための器です。臨時国会での法案提出や提言の提示を目標に掲げていますが、実現には他党との調整が不可欠です。安全保障関連ではスパイ防止法の範囲と定義、秘密保護との整合、報道や研究の自由とのバランスが論点になります。感染症対策では、科学的検証の枠組みとデータ公開の方法、個人情報保護との両立が問われます。外国人政策では、労働市場や地域経済への影響評価、国際約束との整合、実務を担う現場の体制整備が焦点です。
さらに、国民負担率35%の旗は、減税を優先する立場の具体化として注目されます。家計の可処分所得を増やす狙いは明確ですが、移行の中で生じる財政の穴をどう埋めるか、歳出改革の裏付けをどこまで積み上げられるかが問われます。四つのPTが示す課題は相互に関係し、経済、外交、安全保障、地域社会の広い範囲に及びます。参政党は「日本人のための政治」という看板にふさわしい制度設計を、工程表と数値目標とともに提示できるかが試されます。
本日の会見では、党側が批判も織り込み済みで名称を掲げ直した点が特徴でした。賛否が割れるテーマほど、事実関係の整理と影響評価の提示が重要になります。選挙で掲げた看板を国会の手続きと条文に落とし込めるか、ここからは具体の作業です。政策の骨格、提出時期、合意形成の見通しが明らかになれば、論争の焦点はスローガンから制度の中身へと移るはずです。