2025-06-12 コメント: 1件 ▼
「ナプキンをトイレットペーパーのように」吉田県議の訴えに三重県庁が配布方針
生理用品の無料配布、三重県庁で試行へ
三重県議会の一般質問で12日、日本共産党の吉田紋華県議が「すべての公共トイレに生理用品を」と訴えたのを受け、一見勝之知事が県庁トイレでの試行的な生理用品配布を行う考えを表明した。
県ではすでに県立学校など一部の公共施設で生理用品を保健室等で配布しているが、学校ごとに対応が異なり、十分な予算が確保されていないケースもある。吉田県議はこうした格差を指摘し、「保健室での対応にとどまるのではなく、トイレットペーパーのように誰でも自由に取れる場所にナプキンを置いてほしい」と主張。予算が理由で在庫品の使い回しなどが行われている実態に警鐘を鳴らした。
知事はこれを受け、「県庁のトイレでまず試験的にやってみたい」と応じた。「仮に多くの人が持ち帰ったとしても、それが困っている人であれば、社会として許容すべきではないか」と理解を示した。
「声を上げた代償」に知事も苦言 ネット中傷と殺害予告の現実
吉田県議は今回の発言の中で、自身のSNS投稿「生理用ナプキンをトイレットペーパーのように設置すべき」という意見に対し、殺害予告や誹謗中傷が殺到したことも明かした。
家父長的な社会構造に声を上げる女性が見下され、批判される。この現実を知事はどう受け止めているのか
と知事に見解を求めた。一見知事は、殺害予告などに対して「決して許されない行為」と断じ、「安全な環境の中で意見を表明できる社会を守るべきだ」と応じた。
この一連のやり取りは、政策の是非を超えて、公共空間での表現の自由、そしてミソジニーとどう向き合うかという、より深い社会的課題を浮き彫りにした。
生理の貧困・ジェンダー格差への一歩となるか
今回の提案と知事の表明が具体化すれば、地方自治体としては全国でも比較的先進的な取り組みとなる。生理用品の無償設置は、近年「生理の貧困」問題として注目を集めており、特に困窮世帯の若年層や学生を中心に支援を求める声が上がっていた。
一方で、すでに設置されている自治体では「持ち帰りすぎ」「悪用される」といった批判があがるケースもある。これに対して吉田氏は、「女性だけが一方的に負担を強いられる現状を、社会全体で考えることが大切だ」と繰り返し訴えている。
生理は病気ではないけれど、確実に生活にコストがかかる。公の場がそこに向き合う姿勢を示すことが、まず必要なんです
と語る吉田氏の主張は、単なる物資提供にとどまらず、社会の視線そのものを変えていく試みでもある。
ネットでは賛否両論 「声を上げること」の是非が問われる
SNS上では、吉田県議の主張や知事の対応に対して、さまざまな反応が寄せられている。
「ナプキンも公衆トイレに常設でいい時代だと思う」
「殺害予告とか中傷とか、意見を言っただけでこれか…情けない国だ」
「必要な人に届くのは大事。でもそれって税金でやること?」
「“女性の声”って言いながら、批判は全部ミソジニー扱いするのは違う気がする」
「勇気出して声を上げてくれてありがとう。現場が変わるきっかけになるといい」
吉田氏の発言が肯定的に受け止められる一方で、「支援のやり方」に対する根本的な疑問や、「意見表明の自由」と「責任」のバランスを問う声もある。
ただ一つ確かなのは、こうした発言や行動がなければ、課題の存在すら可視化されないままだったということだ。吉田県議のような存在が、今後の制度や意識をどう変えていくのか。注視が続く。