2025-07-22 コメント投稿する ▼
「商人の感覚で横浜を動かす」小山正武氏が挑む、“地元経済主導”の市政改革
商売人から市政へ――76歳の挑戦
8月3日投開票の横浜市長選に出馬している小山正武氏(76)は、横浜の青果市場からキャリアを積み上げ、青果卸業・水産仲卸会社を一代で築いた“叩き上げ”の経済人だ。「今の市政は市民を見ていない。政治家より商売人の目線が必要だ」と語るように、現場感覚を武器に横浜市政の刷新を誓う。
新潟県で生まれ、中学卒業後に上京。横浜の青果店での丁稚奉公を経て独立し、現在は業務用青果卸会社の会長として長年にわたり地元流通の中心を担ってきた。さらに、新日本調理師会会長や横浜中央市場保育園の運営にも携わり、食と子どもの現場にも精通している。
「市民が豊かになる経済を」――それが小山氏の掲げる市政ビジョンだ。
市民のための「食」改革 給食・食堂を地域の中心に
小山氏の政策の核は「地に足のついた食と地域の再生」。来年度から予定されている市立中学校の「デリバリー方式の全員給食」には明確に反対し、「手間とコストをかけても、自校方式で栄養も温かさもある給食を」と語る。
その具体策として、市立中学校の体育館を改築し、厨房を併設。給食室を備えるだけでなく、高齢者も利用できる「地域の市民食堂」としての機能を持たせる構想を打ち出している。
「給食室と市民食堂が一体となれば、子どもも高齢者も食の中で交わることができる。地元の絆が自然と生まれる」と力説。災害時には避難所としても活用でき、まさに一石三鳥の公共施設を目指す。
そのための財源には、市民と地元企業だけが購入できる「地域限定市債」の発行を提案。外資や大手投資家ではなく、市民が街づくりに参加できる仕組みを整えたいと話す。
「地域でお金を回し、地域で人を育てる。これが商人の政治ですよ」
「市民食堂で子どもとお年寄りが並んで食べてる風景、あったかいと思いませんか?」
「市内に金を回せ」地元経済を潤す具体策
「市政の財布を握るのは、商人の感覚が一番」と語る小山氏は、地元経済振興にも明確なビジョンを持つ。
まず、横浜市が発注する公共工事については「原則、地元企業に限定」する方針を掲げる。これにより法人税収が市内で循環し、市の財源が安定すると見込む。また、近年増加する“ふるさと納税による財源流出”に対しては、市民の納税行動に新たなインセンティブを設ける。
具体的には、他自治体へのふるさと納税をしなかった横浜市民に対し、市内の商店街限定で使える商品券を配布。市内消費を促進しながら、商店街の活性化と市財源の流出抑止を同時に狙う。
「ふるさと納税で税金が横浜から出ていくのを止めるには、“横浜で使える価値”を市が用意することが大事」
「地元の魚屋や八百屋が元気じゃない街に未来はない」
商人の矜持と人生の厚みがにじむ人柄
小山氏は、妻との間に3人の息子と8人の孫を持つ“家族想いの祖父”でもある。ここ10年ほどはスマートフォンを片手に「ポケモンGO」に熱中し、全国各地のプレイヤーとの交流を楽しんでいる。
長年所属するロータリークラブでは奉仕活動に取り組み、座右の銘は「感謝」と「人に尽くして見返りを求めず」。市民との距離が近く、型にはまらないその姿勢は、これまでの市政に対する柔軟な対抗軸として注目を集めている。
小山正武氏は、現場と経済を知る「商人の目線」で横浜市政を刷新しようとする。市民の財布も行政の財布も見てきたからこそ語れる説得力と、地域に金と人の流れを生み出す構想が魅力だ。“脱・机上の空論”を掲げ、足元から街を豊かにする本物の市政へ、有権者の選択が問われている。