石垣のりこ議員のヤジ擁護に批判 議会・教育・民主主義から見る問題点

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石垣のりこ議員のヤジ擁護に批判 議会・教育・民主主義から見る問題点

石垣氏の主張をそのまま教育現場に持ち込めば、「理不尽やごまかしにはヤジを飛ばしていい」と子どもたちに教えることになりかねません。 議会という特殊な場だからといって、議員がヤジを飛ばすことを肯定してしまえば、学級会や学校での討論文化にも波及する恐れがあります。 教育の場、学級会、学校という観点から見れば、ヤジの肯定は明らかに問題であり、石垣氏の主張には説得力が欠けます。

議会における“ヤジ”の教育的視点と問題点


石垣のりこ参議院議員は、2025年10月、国会でのヤジ(議員が発言中に飛ばす声・発言)に対して「子どもに見せられない」「教育上よくない」といった批判を受け止めつつ、「議会は意見の違いを前提とした場」であり、議員は政府方針に疑義を感じれば声を上げる責任があると主張しました。

彼女は「人の話を聞くこと」は重要だが、同時に「理不尽やごまかしに対して声を上げること」の価値も教えるべきだと述べています。

しかし、私はこの主張には複数の深刻な問題があると考えます。以下、3つの観点からその問題点を整理します。

教育現場との乖離


まず、学校や学級会での投票・議論の場を想定したとき、ヤジの横行は教育的観点から明らかに不適切です。学級会では生徒たちが互いの意見を尊重し、発言を順番に聞いて議論を構築することが求められます。

石垣氏の主張をそのまま教育現場に持ち込めば、「理不尽やごまかしにはヤジを飛ばしていい」と子どもたちに教えることになりかねません。議会という特殊な場だからといって、議員がヤジを飛ばすことを肯定してしまえば、学級会や学校での討論文化にも波及する恐れがあります。

そもそも「ヤジ」が飛ぶことで、発言している相手の意見をきちんと聞く姿勢が崩れます。教育上、「発言中に遮る」ことが許されるというメッセージは誤解を招きます。石垣氏の言う「両方の価値を教えるべきだ」という点には含みがありますが、結局、子どもにどう教えるのかという具体性が欠けています。

私の意見としては、教育の観点からは議会の慣行をそのまま肯定することは非常に危険であり、別段の議論が必要です。

国民の「聞く権利」の侵害


次に、国会という公開の議論の場を考えると、議員のヤジは多くの国民にとって議論の内容を「聞く」権利を阻害しかねません。

テレビ中継やネット配信といった形で、国会の発言や政府説明をじっくりと「聞きたい」国民が存在するにもかかわらず、頻繁なヤジや飛び交う声があると、発言者の声がかき消されたり、音声が遮られたりすることがあります。実際、石垣氏自身も「テレビで議員たちが総理や閣僚の発言にヤジを飛ばす姿を見せられたら説明に困る」と認めています。

つまり、ヤジが政治のプロセスを“見えにくくする”という点で、議会公開性・国民向け透明性という観点からも問題があります。

私は、「議会で議員同士が声を荒らげるのは構わないが、それが国民の“聞く”機会を奪ってまで行われてよいか」は明確に否定すべきだと考えます。議員は国民の代表として、国民に対して説明責任を果たす義務があります。その義務を果たす以上、ヤジによって議論の内容が聞こえない・理解できないという状態は容認不能です。

詭弁の可能性と議論文化の低下


さらに、石垣氏の主張には論理的なすり替えの余地があります。彼女は「教育と国会は目的も立場も違う」と述べ、議会でのヤジを擁護しています。

しかし、これは「形式的な議会だから許される」とする言い訳に読み取れます。どのような言い方であれ、ヤジという手段が議論の筋を曲げ、議論文化を低下させるならそれを肯定することはできません。ヤジを飛ばす行為が政策の中身や論理に基づかず、「感情」「パフォーマンス」「揚げ足取り」に終始するのなら、議会制民主主義の根幹である理性的な討論を損ないます。

特に、議員がヤジを頻用することで「まともに発言すれば聞いてもらえる」という信頼関係が壊れ、発言自体が軽んじられる可能性があります。結果として「ヤジが飛ぶ=議論しているように見えるが、中身が伴わない」という悪循環が生じかねません。

私の立場としては、議論の場で声を荒げること自体を全面禁止せよとは言いませんが、音声を遮らない・発言を妨害しない・ヤジを飛ばすなら発言者の発言後に整理された形でやるなど、最低限のルール整備は議会自体が自律的に行うべきだと考えます。

議会の品位と国民理解のために


教育の場、学級会、学校という観点から見れば、ヤジの肯定は明らかに問題であり、石垣氏の主張には説得力が欠けます。国民に開かれた議会という観点からも、ヤジによって「聞く権利」「議論内容の可視性」が阻まれるのは許されません。そして議論文化という点でも、ヤジによる即興的反応を正当化してしまうことは、内容のない議論を助長し、逆に議会制民主主義を弱める恐れがあります。

議員が「声を上げる」責任を持つべきなのはその通りですが、声の上げ方、タイミング、手段が問われているのです。議会においても、発言者を遮らず、議論を中断させず、発言と反応が整理された形で行われるべきです。議会の品位を保ち、国民の理解を促し、教育現場にも模範となるような文化を形成するために、ヤジのあり方を改めて検討すべき時です。

私は、石垣氏の言う「声を上げる価値」には賛同しますが、その手段としてのヤジを安易に肯定することには断固反対です。

コメント: 1件

2025-10-25 14:54:44(藤田)

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上記の石垣のりこの活動をどう思いますか?

コメント

とてもまともな感覚の人間の言う事とは思えませんね。

2025年10月25日 18:42 藤井

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