2026-03-19 コメント投稿する ▼
木原稔官房長官、高市早苗首相の台湾有事答弁巡る米報告書の重大転換指摘を否定
木原稔官房長官は2026年3月19日の記者会見で、米国の情報機関を統括する国家情報長官室が発表した年次報告書が高市早苗首相の台湾有事を巡る発言を重大な方針転換と分析したことについて、指摘は当たらないと否定しました。高市氏は2025年11月の国会答弁で台湾有事が日本の存立危機事態に該当する可能性があると明言していましたが、この発言を巡って米国と日本政府の認識の違いが浮き彫りになった形です。
米報告書が重大な転換と分析
米国家情報長官室が3月18日に公表した2026年版の世界の脅威に関する年次報告書は、2025年11月7日の衆院予算委員会での高市氏の答弁について、日本の体制において大きな重みを持つものであり、現職の日本の首相にとって重大な転換を表しているとの見解を示しました。
高市氏は当時、立憲民主党の岡田克也氏の質問に答える中で、中国が戦艦を使って台湾を海上封鎖し武力行使を伴うものであれば、どう考えても存立危機事態になり得ると発言していました。存立危機事態とは、2015年成立の安全保障関連法に明記された概念で、日本と密接な関係にある他国への武力攻撃により日本の存立が脅かされる明白な危険がある場合に、限定的な集団的自衛権の行使を可能とするものです。
「高市さんの発言で中国との関係がさらに悪化したのは事実だよね」
「米国から重大な転換って言われるのは相当なことだと思う」
政府は従来の立場と主張
これに対して木原氏は19日の会見で、存立危機事態に関しては個別具体的な状況に即して政府が全ての情報を総合して判断する、という政府の立場は一貫していると強調しました。重大な方針転換との指摘は当たらないと明確に否定した形です。
政府はこれまで、台湾有事が存立危機事態に当たるかどうかについて、全ての情報を総合し客観的かつ合理的に判断するため、一概に答えることは困難だと明言を避けてきました。中国に手の内をさらさないという安全保障上の理由に加えて、台湾を核心的利益の中の核心と主張する中国を無用に刺激することは得策ではないとの判断があったとされています。
高市氏自身も、この発言について最悪のケースを想定したものであり、従来の政府の立場を変えるものではないと説明してきました。2025年11月25日には公明党の質問主意書に対して従来の政府見解を完全に維持しているとの見解を閣議決定しています。
「存立危機事態の判断基準が曖昧なままだから混乱するんだよ」
「政府は一貫してるって言うけど、首相の発言は明らかに踏み込んでた」
中国は強く反発し圧力強化
高市氏の発言に対して、中国は強く反発してきました。中国外務省は内政への粗暴な干渉と非難し、中国駐日大使は台湾有事は日本有事をあおり、日本を中国分断の戦車に縛り付けるなら、引き返せない誤った道を歩むだけだと批判しました。
2025年11月以降、中国は日本への渡航自粛の呼びかけや留学自粛への言及、日本産水産物の輸入事実上停止など、経済的な圧力措置を相次いで実施してきました。米報告書は、高市氏の発言に反発する中国との緊張がさらに高まれば、中国政府は日本に対して追加の威圧的な経済措置を取るだろうと予測しています。
一方、米報告書は台湾有事に関して、中国の指導者は現時点で2027年までに台湾を軍事侵攻する計画はないとの認識も示しました。中国は武力衝突を避ける形で台湾統一の準備を進めていると分析しています。
「中国の圧力でパンダもいなくなるし、観光客も来なくなった」
今回の米報告書の指摘は、日本政府の説明と米国の分析に食い違いがあることを示しており、高市氏の台湾有事発言が引き続き日米中の関係に影響を与える可能性を示唆しています。高市氏は19日にトランプ米大統領との首脳会談に臨んでおり、この問題がどのように扱われたかが注目されます。