2025-04-24 コメント投稿する ▼
笑いから一転、緊張感漂う参院委員会 ガソリン補助金の「中抜き」疑惑に厳しい視線
参院経産委で「ご安全にー!」の挨拶に笑い、続くガソリン補助金問題で空気一変
2025年4月24日、参議院経済産業委員会で立憲民主党の村田きょうこ議員が「それではみなさん午後も元気よくご安全にー!」と挨拶し、議場内に笑いが広がった。しかし、その後のガソリン価格引き下げに関する質疑では、補助金事業の透明性や効果に対する厳しい指摘が相次ぎ、議場の雰囲気は一変した。
ガソリン補助金の効果と中抜き疑惑
村田議員は、燃料油価格激変緩和対策事業の基金について、「本当にガソリン価格の引き下げの効果があったのか」「中抜きがあったのではないか」と会計検査院の指摘を引用し、政府の対応を質した。これに対し、資源エネルギー庁の和久田肇部長は、補助金は元売りに対する事後精算方式であり、ガソリンスタンドの価格についても電話や訪問による調査でモニタリングを行っていると説明した。
しかし、会計検査院の「令和四年度決算検査報告」では、ガソリン補助事業に関して以下のような問題点が指摘されている:
- 歳出予算のうち約3兆222億円が翌年度に繰り越されている。
- 同一の燃料油に対して二重に基金補助金が交付された事例がある。
- 価格モニタリング業務が再委託され、調査結果の有効性が不明確である。
- ガソリン販売実績量等を基に推計した価格抑制額が補助金の交付額を下回っている。
- 資源エネルギー庁が設定した成果目標が適切でないとされている。
特に、価格モニタリング業務については、博報堂が事務局を務め、再委託により最大62億円で実施されていたが、調査結果が小売価格の抑制にどのように寄与しているのか不明であると指摘されている。
業務委託の再委託と中間マージンの問題
ガソリン補助事業の事務局業務は、博報堂が受託し、その業務を再委託する形で実施されている。この再委託により、業務の透明性が損なわれ、中間マージンが発生している可能性が指摘されている。また、博報堂の100%子会社に業務を丸投げし、その先で再々委託が行われていることも報道されている。これらの問題は、税金の使途が不透明であり、特定の企業や団体に有利に働いている典型的な例とされている。
今後の政府の対応と課題
政府は、ガソリン補助事業の継続にあたり、会計検査院からの指摘を受けて、事業の透明性と効果の向上に努める必要がある。具体的には、再委託の見直しや、調査結果の公表、成果目標の適切な設定などが求められる。また、国民の信頼を回復するためには、税金の使途に対する説明責任を果たすことが重要である。
- 参議院経済産業委員会で村田議員がガソリン補助事業の問題点を指摘。
- 会計検査院は、補助金の効果や中抜きの可能性について複数の問題点を報告。
- 博報堂による再委託や中間マージンの発生が税金の使途の不透明さを招いている。