2025-07-31 コメント投稿する ▼
奈良市議・へずまりゅう氏に殺害予告 家族も標的に 市が警察通報、非通知電話も相次ぐ
奈良市議・へずまりゅう氏に殺害予告 家族も標的に 市が警察へ通報
元迷惑系YouTuberから政治家へと転身した奈良市議・へずまりゅう氏が、「命の危険」にさらされている。氏は自身の公式X(旧Twitter)にて、
殺害予告をされました。
本日、奈良市議会議会宛に「近日中にへずまりゅうと家族を包丁で◯すぞ」とメールが届きました。
と投稿し、非常事態を明らかにした。
同氏によれば、問題の脅迫メールは7月31日の午前9時と10時に2度にわたり送信されており、差出人は「東京の会社」を装っていた可能性があるという。これを受けて市当局は警察に通報し、事態は捜査段階へと移行した。
へずまりゅう氏は続けて、
市が警察に連絡しており非常に危険なのでしばらく居場所を控えます。申し訳ございません
と、身の安全を最優先に考え、一定期間の“行動制限”に入ることを明言している。
当選直後から相次ぐ嫌がらせ 非通知電話やメールも殺到
殺害予告だけではない。氏がXで明かしたところによると、市役所への非通知電話や大量の迷惑メールも連日続いているという。
奈良市の公開されている電話番号に、1日中非通知で電話がかかってきます。
と明かし、これらの行為が業務妨害にあたるとして、通話内容を録音・記録のうえ、警察への報告も視野に入れているという。市議としての活動が始まるや否や、ネットを通じた誹謗中傷や妨害行為に直面している実態が浮き彫りになってきた。
異例の市議誕生に賛否 “元迷惑系”の過去と真剣な政策姿勢
2025年7月の奈良市議会議員選挙で無所属から立候補し、初当選を果たしたへずまりゅう氏。かつては「迷惑系YouTuber」として世間を騒がせた過去があるが、今回の選挙ではスーツに身を包み、「鹿さんと奈良を守ります」と掲げて支持を集めた。
選挙公約には、奈良公園のシカ保護やごみ対策、防犯カメラの設置、さらにはメガソーラー事業への反対など、地元密着型の課題が並んでいた。過激な行動で注目を集めていたかつての姿とは打って変わり、政治家として真剣に市政に取り組む姿勢を前面に出していた。
一方で、「迷惑系」というレッテルが未だ一部で根強く残っていることも否めない。今回の殺害予告や執拗な電話攻撃の背景には、そうした過去に対する偏見や感情的反発も含まれている可能性がある。
殺害予告は“言論の自由”ではない 匿名の暴力に警鐘
インターネット上では、政治家や著名人に対する誹謗中傷や脅迫が後を絶たない。SNSが当たり前になった今、個人が簡単に発信できる一方で、匿名性を利用した「暴力的表現」も蔓延している。
今回のへずまりゅう氏に対する殺害予告は、本人だけでなくその家族までも標的としたものであり、明確な犯罪行為だ。「言論の自由」の範疇では決して正当化されない。
脅迫メールには「包丁で◯すぞ」という具体的かつ危険な文言が含まれており、自治体側も極めて深刻に受け止めている。警察の捜査が進むことで、発信元の特定や再発防止に向けた動きが期待される。
議員活動への影響と試される“覚悟”
議員としての職責は、市民の声に耳を傾け、行政に反映させていくこと。しかし、その出発点で「命を狙われる」という脅迫に晒されているへずまりゅう氏の状況は、尋常ではない。
それでも本人は「活動を止める」とは言っていない。むしろ「しばらく居場所を控える」とすることで、命の安全を確保しつつも、政治家としての責任を放棄しないという強い意思が読み取れる。
今後は警察による捜査の進展に加え、議会側の支援体制やセキュリティの見直しも求められるだろう。同時に、SNS上での表現のあり方や、候補者・議員に対する過度な攻撃が民主主義そのものを損なうリスクについて、社会全体が向き合う必要がある。
デジタル社会における“新たな議員像”とリスク管理
へずまりゅう氏のケースは、ネット時代における「新しい議員像」と「リスク管理」の両面を浮かび上がらせている。元YouTuberという異色の経歴を持ちつつ、今や公人としての責任を背負う立場だ。その彼が、命を狙われるほどの脅迫に遭っているという現実は、我々の社会がどこかで歪んでいることの表れともいえる。
今求められているのは、「元迷惑系だから仕方ない」という無責任な言説ではなく、公人として一票を得て立った人間に対して、安全と尊厳を保障する制度と社会的共通認識である。