2025-07-12 コメント投稿する ▼
大西つねき氏「政党に入れば個人の考えが消える」 無所属連合が訴える“信念からの政治”とは
「同調圧力にNOを」無所属連合・大西つねき氏が語る 政党政治からの脱却と“個人の政治”の可能性
「党に入れば個人の考えが消える」無所属連合が訴える問題提起
参院選の終盤戦を迎え、既存政党の枠組みを超えた新しい政治のかたちに注目が集まっている。そのひとつが「無所属連合」だ。政党ではなく、無所属の候補者たちがゆるやかに連携して選挙に臨むというこの枠組み。共同代表を務める大西つねき氏は、「政党に入ると個人の考えがなくなる」として、従来の政治のあり方に疑問を突きつけている。
「政党に入らないと勝てないと思われがちですが、入った途端に“そこが決めたこと”に従わなければならなくなる。それでは個人の意志は政治に反映されない」と大西氏は語る。
『党首の言うことに全員が従うなら、議員700人もいらないって話』
『会派のための議論じゃなくて、国民のための議論してくれ』
実際、党議拘束のある国会では、政策判断が上意下達になりがちだ。そうした状況に疑問を抱く候補者たちが集まり、無所属連合は今年2月に発足した。現在は10人が集い、それぞれが異なる政策や信念を持ちながらも、「個人の自由と独立」を共通理念に掲げている。
「思想バラバラでもいい」新しい連携のかたち
無所属連合は、組織票も資金力もない。政党名で一本化されたポスターもなく、主張は各候補で異なる。それでも「1人では届かない声を、連帯で可視化する」ことに意味があるという。
「これは一種の社会の縮図だと思うんです。バラバラな意見を持った人たちが、共闘しようと努力する。日本では“みんな同じでなければならない”という空気が強いですが、世界的にはそれを超えていく時代になってきた」と大西氏は指摘する。
『主張が違ってもまとまる。こういう選挙の形、もっとあっていい』
『会派じゃなく“信念の集合体”って感じがいい』
若い世代にとっては、この「異なるものが並び立つ」という感覚がむしろ自然だという声もある。SNSでは「“それぞれがそれぞれのままでいい”という考え方に希望を感じる」との投稿も見られた。
「自由のために憲法改正に反対」一致点も明確に
個々の政策は異なるものの、「無所属連合」として一致している点もある。そのひとつが「憲法改正反対」だ。大西氏は「憲法は、国民が国に『勝手なことをするな』と縛るもの。権力が一方的に内容を変えられるようになれば、自由が奪われる」と懸念を示す。
「例えば戦争をする国になることだって、改憲の先にはある。“それぞれの自由”を守るためには、今の憲法を変えてはいけないという共通認識がある」と語る。
『自由を守るための反対。これには納得した』
『バラバラでも守るものは守る。これが“民主主義”なんじゃない?』
無所属連合は、「政党」ではない。ゆえに公認や推薦、資金配分などの制度的な利点は一切ない。それでも、あえて「党を名乗らない選択」をした10人が、いま各地で「個人の信念から出発する政治」を訴え続けている。
「誰かのため」ではなく「自分の声から始める政治」を
「私たちの活動は、“反組織”でも“反体制”でもありません。むしろ、“反・思い込み”です」
大西氏は、現代の政治が「所属」や「構造」に縛られすぎていると感じている。「立場がないと発言権がない」「党に属さないと政策が実現しない」といった前提にとらわれない人たちが、少しずつ声を上げ始めている。
「自分の信念や違和感から、政治に関わってもいい。自分のままでいても、政治はできる。そう思ってもらえるような選択肢を提示したい」と語った。
投票日まで残りわずか。無所属連合の挑戦がどこまで浸透するかは未知数だが、少なくとも「党の外に、政治の可能性はある」と提示したことは、多くの有権者に問いかけを投げかけている。