2025-06-18 コメント投稿する ▼
れいわ新選組・たぐちゆりが語る命と税のリアル 看護師・がん経験者として都政に挑む理由
がんと向き合い看護の現場から政治へ たぐちゆり、れいわから都議選に挑む
2025年6月18日、東京都練馬区・練馬駅前にて行われた街頭演説で、れいわ新選組の山本太郎代表が練馬区公認候補のたぐち ゆり氏とともに、都議選への支持を訴えた。たぐち氏は20年間にわたり看護師として現場に立ち続け、自身も乳がんの経験をもつ「がんサバイバー」。母として、患者として、看護師としての視点から語る言葉は、都政のあり方を根本から問うものだった。
政治で変えるしかない 都議選は“もう一つの国政”
演説の冒頭、山本代表は「当たり前に暮らせる国を取り戻したい」と力を込めた。30年続いた不況、そしてコロナと物価高という“三重苦”の中で、多くの人々が生活の限界に直面している。総理が打ち出した2万円の給付金に対しては、「怒るべきだ」と語気を強めた。
「2万円で何ができる? 30年の失われた時間を埋められると思ってるのか」
「東京都の財政規模は18兆円。国並みの予算を持つ都市なんですよ」
東京が持つその財政力を活かせば、国が動かずとも生活を支える政策が打てると山本氏は訴えた。大学進学のための給付型奨学金、社会保険料の減免、物価高への直接支援など、国に先んじて東京がやれることは無数にある。
命と向き合ってきた看護師の“政治デビュー”
候補者のたぐちゆり氏は、20年間にわたり看護師として働き、現在も2人の子どもを育てながら日々を生きる母親でもある。演説で語ったのは、自らのがん闘病体験だった。
乳がんと診断されたとき、子どもたちはまだ小学生。検査費用43万円を前に悩んだが、健康保険制度と高額療養費制度のおかげで、自己負担1万円で検査が受けられた。
「保険がなかったら、私は検査を諦めていたかもしれない」
「命を守る制度が削られようとしている。とても悔しかった」
たぐち氏は、高額療養費制度の削減に断固反対し、国民健康保険料の負担軽減にも取り組むと語った。「誰もが安心して医療を受けられる社会を作りたい」——その言葉は、単なる政策提案ではなく、自身の命に直結するリアルな訴えだった。
ホスピス入所は“お金次第”? 税金の使い道に疑問
抗がん剤治療の副作用を経て、死を意識するほどの体験をしたたぐち氏は、最期を迎える場所としてホスピスを考えたが、1日2万円の差額ベッド代に阻まれた。
「真面目に働いて税金を納めてきた。でも最期は“お金がないから入れない”なんて、おかしい」
「税金の明細は見えないのに、噴水に26億、プロジェクションマッピングに18億って…」
この国では「お金がなければ命の選択肢すら持てない」。それが、たぐち氏が政治に挑戦する直接のきっかけとなった。彼女は「都政のムダ使いにメスを入れ、税金の使い方を都民目線で変えていく」と誓った。
「政治は保険」だと語る山本代表の訴え
山本代表は、「政治とは万が一のときに手を差し伸べる保険のようなもの」と語る。そして今の日本社会は、「生産性」という言葉のもとに人々を切り捨てる方向へ進んでいると警鐘を鳴らした。
「税金は取り立てられる。でも困ったときに何も返ってこない」
「だったら一緒に変えよう。東京都から、この国を揺さぶろう」
東京は財政的に豊かであるがゆえに、本来ならもっと人を助けることができる。その“選択”を行うのが政治であり、それを左右するのが選挙だと山本氏は語る。
看護師、がんサバイバー、そして母 “3つの顔”で都政へ
「私は看護師、がんサバイバー、そして母親。どれも大切な立場です。だからこそ、今の都政には私のような人間の声が必要だと思いました」。
たぐち氏はそう語り、支援者の元に足を運んでは一人ひとりと対話を重ねた。政治経験こそないが、現場と生活に根ざした視点で、都政に新しい風を吹き込もうとしている。
東京都議会選挙・練馬区。手垢のついた政治から、命に寄り添う政治へ。たぐちゆりの挑戦は、その象徴でもある。