2025-10-23 コメント投稿する ▼
自民とN党の参院会派結成に兵庫県議団が異議 立花氏の県議中傷問題で説明要求
自民党が2025年10月15日、政治団体「NHKから国民を守る党」の斉藤健一郎参院議員と参院会派「自民党・無所属の会」を結成したことを受け、自民党兵庫県議団は10月23日、自民の松山政司参院議員会長に対して会派結成の経緯などの説明を求める申し入れ書を発送しました。
参院で少数与党となった自民党が多数派形成を目指す中での動きですが、兵庫県では過去にN党の立花孝志党首が県議会百条委員長を務めた自民県議を中傷した問題があり、県議団から強い反発が出ています。
兵庫県知事選での対立が背景に
N党をめぐっては、党首の立花孝志氏が2024年11月の兵庫県知事選に立候補し、自身の当選を目的とせず斎藤元彦知事を応援する2馬力選挙を展開しました。この際、斎藤氏の疑惑を調査した県議会調査特別委員会の委員長を務めた自民の奥谷謙一県議をSNS上で中傷したなどとして、奥谷氏が名誉毀損罪などで立花氏を刑事告訴する事態になりました。
立花氏は奥谷氏について「知事のパワハラ疑惑を告発した職員が死亡した原因について、奥谷氏が圧力をかけて隠蔽した」といった虚偽の内容をSNSなどに投稿したとされています。また、奥谷県議の自宅兼事務所の前で「出てこい奥谷」と演説をしたことについて、脅迫や威力業務妨害容疑で被害届も提出されました。
「自民党もここまで落ちたのか。誰とでも組むつもりか」
「少数与党だからって節操がなさすぎる。自民党らしくない」
「立花氏に中傷された県議がいるのに会派を組むなんて信じられない」
「政策が合えば誰と組んでもいいんじゃない。兵庫の問題を全国に持ち込むな」
「N党は受信料削減を求めているだけ。そこまで批判することか」
会派入り撤回は言及せず
今回の申し入れ書では、斉藤氏と自民党・無所属の会を結成した経緯や理由の説明を求める一方、会派入りの撤回には言及していません。県議団の谷口俊介幹事長は「政治理念や思いが一緒でないと会派を組めない。どうすり合わせをしたのかを含め、さまざまなことに関する説明がほしい」と話しています。
斉藤健一郎氏はN党のただ一人の国会議員で、どの会派にも属していませんでした。2024年10月の臨時国会での首相指名選挙では、自民党の高市早苗氏に投票し、2025年3月には2025年度予算に賛成するなど、自民党と距離が近い関係にありました。
スクランブル放送実現を要請
斉藤氏は会派入り後の記者会見で、NHKの受信料支払い削減に向けた政策協議を自民に申し入れたと明らかにしました。自民の松山政司参院議員会長と10月10日に会談し、受信料を支払った人だけが視聴できるスクランブル放送の実現などを要請したとしています。
斉藤氏は会見で、協議に応じるとの確約は得ていないとした上で、松山氏に「会派内でスクランブル放送化を推進させてほしい」と訴え、承諾を得たと述べました。自民党側は、参院での多数派形成の一環として斉藤氏を取り込んだ形です。
自民党兵庫県議団の意見書には、立花氏が県知事選で展開した2馬力選挙や奥谷県議への中傷問題を念頭に置いた対応であることが明記されています。谷口幹事長は「説明次第では会派を解消してほしいという思いも記したい」と話しており、今後の自民党本部の対応が注目されます。
少数与党に転落した自民党が国会運営を安定させるため、あらゆる手段を模索する姿勢が鮮明になっています。しかし、地方組織からは政治理念の一致を重視する声が上がっており、党内での意見調整が課題となっています。