2025-10-10 コメント投稿する ▼
「自公連立の依存構造」松山政司発言に問う 自民党は自立できるのか
参議院幹部会談では、自公連携の継続を「現実的選択」として訴えましたが、この言葉は裏を返せば、自民党が長年、公明党の議席に依存してきた現実の告白でもあります。 もし党勢を拡大する努力を怠り、与党の安定を公明党頼みにしてきたのだとすれば、参議院議員会長としての戦略的責任が問われます。
自公連立の岐路 松山政司氏「公明なしの国会運営は考えられない」
自民党参議院議員会長の松山政司氏は2025年10月10日、「公明党なしでの国会運営は考えられない」と述べ、高市早苗総裁に丁寧な交渉を求めました。発言の背景には、公明党が「政治とカネ」を巡る協議で妥結できなければ連立離脱も辞さない姿勢を鮮明にした経緯があります。参議院幹部会談では、自公連携の継続を「現実的選択」として訴えましたが、この言葉は裏を返せば、自民党が長年、公明党の議席に依存してきた現実の告白でもあります。
では、これは「現実的判断」なのか、それとも「政治的怠慢」なのか。もし党勢を拡大する努力を怠り、与党の安定を公明党頼みにしてきたのだとすれば、参議院議員会長としての戦略的責任が問われます。国会運営を政党間の数合わせに委ねたままでは、立法府全体の自立性が損なわれる恐れもあります。
焦点は「政治とカネ」 企業・団体献金の規制強化
公明党は、企業・団体献金の規制強化や収支の厳格公開を、連立維持の最低条件と位置づけました。自民党の応答は「検討」の域を出ないとの受け止めが強まり、溝は深まりました。企業・団体献金が政策を歪める恐れがある以上、透明化と第三者監査、違反時の厳罰を組み込む制度改革が要ります。自民党が本当に政権運営能力を回復したいなら、連立維持よりもまず「資金の透明化」に正面から取り組むことが信頼回復の第一歩です。
「また先延ばしなら、信頼は取り戻せない」
「透明化の約束より仕組みの変更が必要だ」
「与党が説明できないお金は受け取るべきでない」
「選挙より先に政治資金の信頼回復だ」
「短期の言い訳より長期の制度改革を」
参議院のダイナミクスと国会運営 公明の比重と依存構造
参議院での採決や委員会運営では、公明党の協力が票読みと日程管理の要でした。連立が切れれば、法案審議や予算の進行は遅延し、野党との個別合意に頼る局面が増えます。結果として税制、社会保障、防衛関係費の工程に断続的な遅れが生じ、経済や市場に不安が波及します。
ただし、この構造自体が問題の根です。もし自民党が単独で安定多数を形成できず、毎度のように公明党の同意を前提に政策を設計してきたのなら、それは「協力関係」ではなく「依存関係」です。参議院議員会長として、他党への依存を当然視する発言は職責を軽んじると指摘されても仕方ありません。党勢の拡大や候補者の刷新を怠った政治的惰性こそ、現在の危機の要因です。
連立は手段、信頼回復が目的
松山氏の発言は、参議院運営の現実認識に根ざしています。しかし、連立は目的ではなく手段です。与党としての責任は、数合わせではなく、国民への説明責任と制度の健全化にあります。私たちは企業・団体献金の抜本見直し、政治資金データの常時公開、第三者監査の常設、違反時の厳罰化を求めます。外交ではポピュリズム外交を退け、国内では「依存からの脱却」を具体的な政治目標に据えるべきです。自民党が真に自立政党を名乗るなら、公明党頼みの政治運営を終わらせる覚悟を示さねばなりません。