2025-06-03 コメント: 2件 ▼
稲嶺進氏「民意無視は許されない」 辺野古基地反対で国会集会、全国に支援呼びかけ
稲嶺進氏、辺野古基地に「民意無視は許されない」 国会集会で訴え
沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設をめぐり、稲嶺進・元名護市長が再び声を上げた。2025年6月3日、国会内で行われた「オール沖縄会議」主催の集会にて、共同代表を務める稲嶺氏は、戦後80年の節目にあたり「沖縄はいまも憲法の枠外に置かれている」と厳しく現状を批判した。
稲嶺氏は、名護市長時代から一貫して新基地に反対してきた人物で、当時から「これ以上沖縄に基地を押しつけるな」と訴えてきた。今回の集会でもその姿勢は一切ぶれていない。参加者を前に「沖縄の民意は、何度も選挙で『NO』を示してきた。それを国が無視し続けることは、民主主義の否定そのものだ」と述べ、強く政府の姿勢を批判した。
本土の沈黙を打ち破るべきと訴え
稲嶺氏がとくに危惧するのは、本土での関心の低下だ。「かつては全国で共鳴してくれた新基地反対の声が、いまは弱まっている。沖縄の声が本土に届きにくくなっている」と語り、「この壁を打ち破らない限り、政府はやりたい放題だ。だからこそ、全国の人たちにもう一度声を上げてほしい」と呼びかけた。
さらに稲嶺氏は、「一部の反対派だけが叫んでいる、という印象を持たせようとする情報操作にも警戒が必要だ」と述べ、「これは沖縄だけの問題ではない。日本全体の民主主義が問われている」と強調した。
辺野古の環境破壊に沈黙する政治への怒り
稲嶺氏は、辺野古周辺の自然環境についても言及。「大浦湾は世界でも稀な生物多様性を持つ海だ。それを埋め立てて軍事基地を造るなど、未来の世代に対する裏切りだ」と語気を強めた。地盤の軟弱さや技術的な困難を無視し、工事を強行する政府に対して「責任ある説明もなく、環境評価も形骸化している」と非難を浴びせた。
同じ集会では、ドローン調査による海岸浸食や護岸崩壊の事例が報告されたが、稲嶺氏は「このような実態があるのに、国は何も語らず進めようとしている」と述べ、問題の根深さを訴えた。
今後も「辺野古NO」を全国に広げる
稲嶺氏は、今後も「オール沖縄会議」の一員として全国での世論喚起を続けていく考えを示した。6月7日には、名護市辺野古のキャンプ・シュワブゲート前で第50回県民大行動が予定されており、稲嶺氏も現地でマイクを握る予定だ。
「政府が聞く耳を持たないからこそ、市民の連帯と声が何より大切だ」と稲嶺氏は語った。彼の言葉には、沖縄の未来を守る強い決意がにじんでいた。