2025-10-24 コメント投稿する ▼
長野県の外国人任用推進・行政参画拡大、法整備不十分のまま進む危険性
長野県が外国人労働者の受け入れ拡大を進める中、阿部守一知事は2050年を見据えた外国人政策の抜本的な転換を検討しています。 一方、急速な外国人労働者受け入れ増加に伴う法整備の課題も浮き彫りになっています。 全国で外国人労働者の受け入れが加速しています。
外国人労働者230万人超え、全国規模での急速な拡大
全国で外国人労働者の受け入れが加速しています。厚生労働省の発表によると、2024年10月末時点の外国人労働者数は約230万人(前年比12.4%増)で過去最多を更新しました。年間増加数約25万人は2008年の届け出義務化以来で最大です。
長野県もこの流れに呼応しており、県内の外国人労働者数は2万7834人(2024年10月末)、雇用する事業所数は4992カ所で、いずれも過去最多となっています。特にベトナムからの労働者が全体の25%を占め、製造業(41.5%)、農業、飲食・宿泊業で活躍しています。県人口に占める外国人住民の割合も2.05%に達し、地域社会における外国人の存在感は急速に高まっています。
「外国人を行政職に?法律をきちんと守ってもらうことが先じゃないか」
「技能実習生の労働搾取問題も解決してないのに、任用推進とは順序が違う」
「不法滞在者を減らす法整備が必要。受け入れ拡大だけじゃ問題は解決しない」
「外国人の声を尊重するのは良いが、日本の法律遵守を前提にしてほしい」
「海外に逃げられたら終わり。法的責任や検証体制が必要不可欠だ」
2050年見据えた長野県の外国人政策転換
長野県の県民文化部によると、外国人を含むすべての県民が「地域社会の一員として等しく活躍できる社会」を実現するため、10月27日に開催予定の第2回「長野県外国人政策検討懇談会」で、具体的施策を検討しています。テーマは『2050年から考える長野県の外国人政策について』です。
検討対象となっているのは、以下の4つの柱です。第1に、日本語教育と生活支援の充実のため、県に「多文化共生推進本部(仮称)」を設置すること。第2に、「長野県外国人会議(仮称)」の設置により、様々な政策決定時に外国人の声を取り入れる体制づくり。第3に、審議会委員などへの外国人登用を通じた社会参画拡大。第4に、「公権力の行使等にあたらない職務」の範囲内での県庁職員への外国人任用を推進することです。
法的整備なき外国人受け入れ拡大への懸念
注視すべきは、外国人受け入れ急増に伴う法的課題が十分に整備されていない点です。現在、日本国内に約7万4000人の不法残留者がおり、その多くが不法就労状態にあるとされています。外国人労働者の扱いが曖昧なまま、行政参画や任用を進めることは、日本の公行政の透明性と法的安定性を損なう恐れがあります。
外国人労働者を受け入れるならば、法を遵守する者と法を犯す者を明確に区別する法整備が不可欠です。具体的には、在留資格の厳密な管理、不法滞在者の強制送還体制の強化、外国人労働者の労働条件保護と同時に、法律違反者に対する罰則の明確化が必要です。現状では、外国人労働者が法を犯して海外に逃げ出す事例も後を絶たず、これを指摘することが排他主義と誤解される傾向もあります。しかし、国家として最低限の治安維持と法の支配を守ることは基本的責務です。
第1回懇談会(6月6日開催)の資料では、「県組織において、公権力の行使等にあたらない職務を遂行する職について、その能力に応じて外国人の任用を推進行政」と記載されていますが、この「公権力の行使等にあたらない」という限定が実務上どこまで機能するかは不透明です。
地域社会への統合と法的責任の両立が必須
2050年を見据えた長野県の取り組み姿勢は理解できます。しかし、外国人の社会参画拡大と同時に、法文化順守のための明確な基準設定と、違反時の厳格な対応体制の構築が並行して進められなければなりません。言葉を変えれば、「受け入れやすさ」だけでなく「管理体制の厳密さ」が問われる段階に入ったということです。
多文化共生を名目に法的課題を先送りすれば、後々より大きな問題を招く可能性があります。外国人住民の増加は現実であり、それに応じた施策展開は必要ですが、あくまで日本の法秩序を前提とした上での「共生」であるべきです。長野県が実現すべき社会は、外国人に対して無条件に門戸を開く社会ではなく、法を守る者であれば等しく活躍の場を提供し、法を犯す者には厳格に対処する社会であるべきです。