2025-09-26 コメント投稿する ▼
リニア中央新幹線の開業時期「一日も早く」長野知事が要請 JR東海社長は見通せず
特に「開業時期を一日も早く明らかにしてほしい」と強い言葉で訴え、地域振興への影響を懸念しました。 これに対し丹羽社長は「現状では時期を見通すことはできない」と説明し、依然として開業時期の明示は困難な状況であることを示しました。
リニア開業時期、長野県知事が早期明示を要請
長野県の阿部守一知事は2025年9月26日、東京都内でJR東海の丹羽俊介社長と会談し、リニア中央新幹線の早期開業を求めました。特に「開業時期を一日も早く明らかにしてほしい」と強い言葉で訴え、地域振興への影響を懸念しました。これに対し丹羽社長は「現状では時期を見通すことはできない」と説明し、依然として開業時期の明示は困難な状況であることを示しました。
リニア中央新幹線は東京・品川―名古屋間の2027年開業を目指していましたが、静岡県工区で水資源への影響を懸念する川勝平太前知事が着工を認めなかったため、JRは計画を断念しました。後任の鈴木康友知事は対話姿勢を示しているものの、着工に向けた具体的合意には至っていません。
長野県の要請と地域振興
阿部知事は会談で要請書を手渡し、工事の安全確保とともに「開業前であっても地域振興に積極的に関与してほしい」と要望しました。リニア停車駅が予定される長野県飯田市などは開業効果を前提に地域活性化計画を進めており、時期の不透明さが大きな課題となっています。阿部知事は「時期が示されないと地域の魅力発信につながらない」として、JRと静岡県の協議加速を求めました。
「地域は開業効果を見込んで準備をしているのに、時期が不明確では進められない」
「JR東海はもっと地域に寄り添うべきだ」
「静岡との協議は長すぎる、国も責任を持つべきだ」
「水資源問題は重要だが、調整をいつまでも先延ばしにできない」
「開業の遅れは日本全体の成長戦略にマイナスだ」
JR東海の立場と対応
丹羽社長は会談で「静岡県と精力的に対話を進めている。引き続き早期開業に向けて全力で取り組む」と述べました。しかし具体的な見通しは示さず、現段階では静岡工区の合意形成が最大の焦点であることをにじませました。JRとしては安全や環境への懸念を解消しつつ、地元自治体との信頼関係を築くことが急務となっています。
今後の課題
リニア中央新幹線は国家的プロジェクトであり、地方創生や東京―名古屋間の大幅な時間短縮を通じて日本経済への波及効果が期待されています。しかし現状では環境保全と地域振興のバランスが取れず、計画が足踏みしているのが実情です。長野県をはじめとする沿線地域は早期の見通し提示を求めており、JRと静岡県、そして国がどのように合意を形成するかが今後の最大の焦点です。